ジャパニーズドリームを掴んだら…
「イチローさん、松井秀喜さん、松坂大輔さんなどメジャーで活躍する日本人プレーヤーを沢山見て、すごく興味を持つようになった。素晴らしい日本人プレーヤーを見て、きっといい野球が日本にはあるのだろうと思ってチャンスがあれば行きたいと思ったんだ」
ゲレーロはかくして2022年からマリーンズでプレーをすることになる。
「とても気にいっている。人が凄く優しいし、みんな目標をもって勤勉にプレーをしている。日本人は本当に礼儀正しいし、とても素晴らしい国。とてもリスペクトしている。あえて言うなら、ちょっと寒いのが嫌かなあ。ボクは暑いのが大好きだから」と笑う。
ここまで支えてくれた母も日本での活躍を喜んでいるという。「日本でプレーをすると話をすると、とても喜んでいた。いつか呼びたいと思っている」。今でも毎日、電話で話をして、時には叱咤激励を受ける。異国でプレーをするゲレーロにとって母は心の支えだ。
夢がある。ジャパニーズドリームを掴み、地元のティエラ・ボンバ島にて野球学校を運営することだ。
「野球を始めた時、ボクは一番へたくそだった。でも幸運なことに色々な人のアドバイスをもらい、支えてもらって今はこうやってマリーンズでプレーが出来ている。地元には才能あふれる子供たちが沢山いる。でも経済的な問題で野球を続けられない子も沢山いる。そんな子たちにチャンスを与えられたらといつも思っている。いつか、島に野球学校を設立して、そこから日本やアメリカのプロに選手を送り出したい」
ゲレーロは目を輝かせながら夢を語ってくれた。ここまで150キロ台後半のストレートを武器にマリーンズの勝利に貢献し続けている長身右腕。ここから日本の野球に慣れ、大好きな暖かい季節となれば、パフォーマンスはさらに上昇していくだろう。ジャパニーズドリームを掴み、ティエラ・ボンバ島に凱旋するためにマウンドで投げ続ける。
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