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派手な勝ち方、地味な勝ち方、今季のベイスターズに今までと違う強さを見た

 今シーズンは1998年優勝メンバーがコーチ陣に加わりました。開幕前の私の順位予想は1位。いや、大体毎年1位予想なのですが、その中でも今シーズンの1位予想は本気度が違いました。

 ところが、今シーズンも開幕からオースティン選手、ソト選手抜きの戦いで、開幕3連敗。さらにコロナの影響を受け、そのあとも“張り”が出て、選手が次々と離脱。♪ドとレとミとファとソとラとシの音が出ない、という「クラリネットをこわしちゃった」の歌のように、♪オースティンと宮崎と大田とソトサノが出ない、とばかりに日に日に主力選手が減っていきました。

 そんな中でも、“大気の状態は安定”し、関根選手、あるいは楠本選手、蛯名選手の活躍もあり、層の厚さが感じられました。

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 4月2日、2塁ランナーの関根選手は、センター前ヒットで3塁へ、センターがすぐに返球しないとみると、すかさずホームイン。相手のスキを突く野球が見られるようになりました。そして、主力選手が戻ってくると徐々に勝率も上がりました。

 4月22日午前0時、試合結果を確認し、すぐに藤田選手のヒーローインタビューを見ました。「きょうは牧選手の42歳の誕生日です」。42歳、聞き流すところでした。傘をさしてのヒーローインタビューも印象的でした。

 6月8日午前0時、7日の試合のランニングスコアを見る。「日」(日本ハム)の方に0が並んでいる。完封だ。ん? 必要以上に0が多い……安打も0だ。今永ノーヒットノ―ラン!! 寝起きに大興奮しました。落ち着け、落ち着け、と言いながら、仕事へ行く準備をしたのを覚えています。

ノーヒットノーランの今永 ©時事通信社

 6月30日午前0時、29日の試合の勝ちを確認。経過をたどると、4回に2点を勝ち越し。その内容は、ソト犠牲フライ、嶺井犠牲フライ。「しぶい! 連続犠牲フライで2点とは」。強くなったなと実感した瞬間でした。

 7月1日午前0時、30日の試合は4-0とリードから4-5と逆転され嫌な展開も、9回裏に逆転しサヨナラ勝ち。「よく勝ったなー!」と動画をすぐに確認。大田選手の神スライディングがありました。私の中で「今季のベストかっこいいプレー」かもしれません。

 9月14日午前0時、13日の試合は1-0の勝利、ピッチャー頑張ったな……。

「ちょ、待てよ! 1安打で勝ったのか!?」。さすがに相手の中日高橋宏斗投手が気の毒でしたが、これも勝負。高橋投手には、めげずに頑張ってほしいです。それにしても関根選手、この日チーム唯一のヒットをよく叩き出しました。

 CSファイナルステージに進めず悔しい、ものすごく悔しいです。2年連続、目の前でヤクルトが胴上げ。今年はCSでリベンジするチャンスがありました。でも、もしファイナルステージでヤクルトに勝ち、日本シリーズに進出したら、それで燃え尽きてしまうような気もします。逆に、またヤクルトに負けることも避けたい。

 来シーズン、1998年以来のリーグ優勝のためには、このCSはこれで良かったと自分に言い聞かせます。逆転サヨナラのチャンスから一瞬にして今季が強制終了。最大に悔しい気持ちを抱えたままで。この悔しい気持ちは1997年とどこか似ています。

 さぁ、来シーズンは、いよいよ横浜優勝のときです! 以上、ベイスターズ予報でした。

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