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今年最大の“嬉しい誤算”、茶野篤政と中嶋オリックスの幸せな出会いを噛み締める

文春野球コラム ペナントレース2023

2023/04/16
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僕が何より好きなのは茶野の「アグレッシブさ」

 そして茶野はここまでその大抜擢に対してほぼ満点の答えを出している。開幕からの全12試合(4/14現在)に先発出場して12試合50打席42打数13安打6得点6四死球1盗塁打率.310出塁率.396。

 ちなみに13本のヒットを放った相手投手には高橋光成、平良海馬、石川柊太、和田毅、宮西尚生、上沢直之など各球団のバリバリの主力投手の名前が並ぶ。

 そんな茶野の魅力は色々あるが冒頭でも述べたように僕が何より好きなのは茶野の「アグレッシブさ」だ。打席での構えからしてもうたまらない。スマートさや器用さの正反対にあるかのような両足を大きく開いた泥臭さ全開のバッティングフォーム。ボールに食らいついていくようなバットの振り出し。甘い球は決して見逃さない積極性。にも関わらずボール球をしっかり見極められる選球眼。

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 スマートで多少積極性に欠ける選手が多い(助っ人外国人野手すらこのタイプばかりやってくるのはなぜなのだろう?(笑))オリックス野手陣に足りない成分を備えている選手だと思う。茶野篤政と森友哉の二人でオリックス打線に「野性味」を加えてくれているのがとても頼もしい。

 もちろん、これから茶野には色々あるだろう。スランプもあるだろうし、もう少しパワーをつけて二塁打を増やして欲しいし、盗塁技術も磨いて欲しいし、初対戦で全く歯が立たなかった佐々木朗希にリベンジもして欲しい。でもとりあえずはあのアグレッシブなプレースタイルでしっかり一番打者の座を守り抜いて欲しい。

 シーズンはまだ始まったばかりだけど「開幕投手・山下舜平大」「開幕スタメン・茶野篤政」など2023年も初戦から中嶋イリュージョンが炸裂している。まだ順位など気にする時期ではない。中嶋監督が今年も抜擢し続ける魅力的な新戦力の躍動に刮目し応援グッズを買い集める。そんな幸せな春を今は過ごしていたい。

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