「名古屋が好き」「野球人生をドラゴンズで終えたい」
ビシエド選手が愛される理由はプレーによる活躍だけではない。2019年には外国人選手では異例のファン感謝祭に参加し三輪車で障害物競走を走ったり、NPBアワードや納会にも出席したり、本当に日本を愛しドラゴンズを愛してくれているのが伝わってくる。
ご家族も日本で暮らし、「名古屋が好き」「野球人生をドラゴンズで終えたい」とまで言ってくれているビシエド選手に、私たちができることは一つしかない。彼を信じ、大きな声で声援を送り続けることだ。
私は知っている。ビシエド選手が2軍で調整して、1軍の試合に出場していない間にもスタンドには多くのビシエドユニフォームを着た観客がいたことを。もちろん私もその一人だ。若竜たちの活躍はもちろん嬉しい。それでも、ビシエド選手の復活、躍進を期待するファンがスタンドに大勢いることを知ってもらいたい。
打順なんて何番でもいい。ビシエド選手が打線にいてくれればきっと相手投手は怖い。あと少しで日本人枠になることも含め、1軍の試合でたくさんビシエド選手の姿が見たいのだ。
ビシエド選手は5月23日の広島戦で1軍に復帰すると、25日に待望の今季初ホームランを打った。ダイヤモンドを1周しベンチへ戻ってきたビシエド選手の嬉しそうな笑顔、迎える立浪監督の笑顔、そしてチームメイトたちの嬉しそうな顔を見て涙が出たのは私だけではないはずだ。あのビシエド選手の笑顔がもっと見たい。これまで数年、チームが辛い状況の時にその一振りで何度も空気を変えてくれてきたビシエド選手。これまでチャンスで打てていなかった悔しさをバネに、今後はより一層活躍してくれることを期待したい。
これは私の主観だが、ドラゴンズファンのテンションが最も上がるのはビシエド選手のチャンステーマだ。そしてそのチャンテの後に見るアーチは何よりも美しく、何よりも嬉しい。ドラゴンズ後半戦の躍進に向けてもっともっとビシエド選手の活躍が見たい。そして今シーズンも大きな声で歌いたい。勝負強さ煌めき、エルタンケ打て!
私はどんな状況でもダヤン・ビシエド選手をいちファンとして応援し続けようと心に決めたシーズンとなった。ビシエド選手のプレーが1軍で見られない時期を経て、自分がどれだけビシエド選手を好きなのか再確認したのだ。そして、厳しい声をかけている人たちも、それは期待の大きさの裏返しじゃないだろうか。みんなビシエド選手が好きなのだ。
ドラゴンズファンの皆さん。チームの調子が悪い時には辛いことも多いかもしれない。それでもめげずに推しを応援し続け、強いドラゴンズの完全復活の際には共に勝利を喜び合おう。ここまでなかなか勝てなかったドラゴンズだが、だからこそ1勝の喜びはどの球団のファンよりも大きい。連勝なんてした日には一升瓶をあけたいくらい嬉しい。
若手が目覚め出したドラゴンズ、悩める主砲が復活すれば、未来はもっと明るい。
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