ホーム・ZOZOマリンスタジアムで絶好調の千葉ロッテマリーンズ!! 数字にもあらわれているのが、ホームでの勝率の高さ。交流戦が始まるまでは、なんと13勝3敗2分け。対してビジターでは12勝12敗と、その数字は歴然たるものだ。ヒーローインタビューを担当している私自身も、ビジターチームのヒーローインタビューの記憶がほとんどないぐらい、ほぼ毎試合マリーンズの選手たちがお立ち台に上がっています。

 その数字を後押ししているのは、選手たちが口々に「ファンの皆さんの声援がチカラになっています!」と発言しているように、ライトスタンドの熱狂的な応援団と言っても過言ではないでしょう!! 声出し応援がなかった3シーズンを思い出すと、静かなスタジアムでしたね。でも、そんな状況でも必死に盛り上げようと頑張っていたのは、スタジアムMC・スタジアムDJではないでしょうか。今回は、その縁の下の力持ち、陰の立役者に焦点を当てたいと思います。

スタジアムMC・スタジアムDJの業務内容とは

 私も横浜DeNAベイスターズでスタジアムDJを4年間担当させてもらいましたが、マスコットやチアに比べると認知度は低く、仕事内容はあまり知られていないように感じます。

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 つば九郎やドアラに代表されるマスコットは、球団の別の顔とも言われるほど多くのファン、または他球団のファンからも人気が高く、グッズなども多く発売されていますし、チアは“きつねダンス”で一気にバズったファイターズガールをはじめ、BsGirlsのようなダンスボーカルユニットもあります。

 では、今シーズンが始まる前に、12球団中3球団でスタジアムDJの変更があったことを知っている人はいますでしょうか? 各球団の監督と同じように、その椅子に座れる人は限られているのにもかかわらず、あまり知られていない。これは、スタジアムDJ経験者からすると少し寂しい……。

 球団ごとに異なる部分はあるものの、簡単にスタジアムMC・スタジアムDJの業務内容を紹介すると、場外ステージのMC、試合前の盛り上げ、スタメン紹介、選手コール(試合直前の選手飛び出しやバッターコール)、イニング間の盛り上げ、ヒーローインタビューなどがあります。また最近では、今まで制作会社やチームスタッフが行っていた開場後のBGMなども、独自にDJに担当させて、音楽にもこだわりを持つ球団が増えてきました。

 日本最初のスタジアムDJと言われているDJ KIMURAさんは、ご自身でしゃべり、ご自身で選曲もされていましたし、もともとはJリーグ発足時に多くのラジオDJが選手コールなどを担っていたため、「スタジアムDJ」という名前で括られ呼ばれていましたが、現在はMCとDJの役割が明確に分かれてきた感じがあります。

 MCはその名の通り、声としゃべりでスタジアムを盛り上げる。DJは音楽をかけてスタジアムの雰囲気を作っていきます。千葉ロッテマリーンズは現在、MC YUIとDJ PAY MASTER JがスタジアムMC・スタジアムDJを務めています。

MC YUIとDJ PAY MASTER J ©南隼人

 私もMC YUIくんも元横浜DeNAベイスターズのスタジアムMCであったことから、かねてより親交があり、ここだけのお話、「うちの事務所に来ないか?」と何度も誘ったこともありました。英語はもちろん、中国語も話せるとのことで、今後インバウンド需要などを考えると、YUIくんをきっかけに中国からのファンも取り込んでいけるかもですね。

 また、元クラブDJだった過去もある私は、PAY MASTER Jとは共通の先輩後輩がいる関係で、いつも試合前にはライトスタンド上段にあるハイライトスタジオ(MC・DJブース)で話をしています。スタジアムには多くの音楽好きの方もいらっしゃるので、「〇〇さんが『あの選曲良かった』って言ってたよ!」「〇〇選手から『試合前にあの曲かけて』と言われたよ!」などと伝えることもあります。