野球好きな妻と一緒に家でプレー検証
もう一人、身近で小郷を支えているのが21年に結婚した同い年の妻。教員をしていることもあり、メンタル面でのケアも手伝ってくれるという。「自己解決能力というか、僕は分析が得意じゃなかったんです。『何で打てないんだろうな?』とか、ずっと引きずったりしていたんですけど」。学校で子どもを諭すような感じなのだろうか――。野球好きな妻と一緒にプレーを検証する家での時間もまた、有意義なものとなっている。
アスリートの体調管理のために妻は料理教室に通い、ネットでレシピを調べては飽きないよう常に「6、7品も」おかずを食卓に並べてくれる。体にも劇的な変化が生まれた。独身時代は「ちょっとぽっちゃり」だった体形で、15%あった体脂肪が今では11~12%に減少。体重は落ちていないというから理由は明白だ。プレーでもキレのある動きができるようになった。
愛妻の手料理で好きなのは「鶏肉のチリソース」だそうで、「レパートリーが多いのでかぶらないようにしてくれる。あとは奥さんが魚が好きなので、いっぱい魚を食べるようになりました」。笑みを浮かべながら、うれしそうに話す姿に記者も癒やされた。
「今のモチベーションは家族のため?」
当たり前のような質問を最後にしてみた。
「それはもちろん。むしろそれしかない。自分が活躍できたらうれしいですけど、家族に喜んでもらいたいですし、1軍だったらテレビ放送もあるので見てもらえる。去年はずっとファームで情けない姿を見せた。今年こそは! という思いはすごくあります」
シーズンはまだ道半ば。周囲の支えで変身した「シン・オゴー」。涙はもう見せない。
◆ ◆ ◆
※「文春野球コラム ペナントレース2023」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/63042 でHITボタンを押してください。
この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。