ほっともっとフィールド神戸のBs大花火大会は最高だった。大勢の同志と共に夏の夜空に咲く大輪の花を眺められる日々が戻ってきたことが何より嬉しい。しかも我らがオリックス・バファローズは会心の2連勝。もう何も言うことなどない。

 ホテルに戻ってからも最高のほろ酔い気分のままじっくりケータイで試合結果などを眺めていたのだが、ふと数えてみて驚いた。7月23日(日)日ハム戦のオリックスのスタメンがこちら。

 1野口・2宜保・3紅林・4セデーニョ・5T-岡田・6中川圭太・7宗佑磨・8若月・9小田

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 なんと高卒生え抜き野手が9人中5人もいるではないですか!!

 あれほど高卒野手を育てられないことで有名だったオリックスが。しかもこれは消化試合などではない。リーグ3連覇に向かって先頭をひた走るチームのスタメンなのだ。僕はちょっと感動してしまった。中嶋オリックスは本当にすごいな、と。

オリックスに久々に誕生した「強打の遊撃手」

 その中でもやはり重要なのはクリーンナップを打つ「強打のスタープレーヤー」を高卒から育て上げられるかどうかだろう。この30年間のオリックスではイチローとT-岡田くらいしか思いつかない。(もちろん坂口智隆も宗佑磨も素晴らしい選手ではあるのだが。)

 今のオリックスには将来を嘱望される希望の星が数多く存在する。太田椋、来田涼斗、池田陵真、元謙太、内藤鵬などなど。

 だが、やはり現在の筆頭は紅林弘太郎だろう。

 2021年、入団2年目の弱冠19歳で開幕ショートスタメンに抜擢された時は本当に胸が躍った。しかし太田椋と共に信じられない拙守を連発しエース山本由伸の快投に水を差しまくる最悪の船出となった。それでも徐々に試合に慣れ、チャンスに強い打撃と天性の長打力、強肩を発揮していった。

紅林弘太郎 ©時事通信社

 2022年、チームは日本一の栄冠を勝ち取ったが紅林のバットは完全に伸び悩んだ。

 そして2023年、オープン戦での攻守に渡る不振により開幕はまさかの二軍スタート。中嶋監督の愛のムチが炸裂し、ついに紅林が覚醒のきっかけをつかむ。4月18日に一軍昇格すると徐々に打率を上げていき、7月末ついに規定打席に到達しリーグ3位に躍り出た。

 79試合299打席80安打・打率.291・7本塁打27打点。

 オリックス久々の「強打の遊撃手」の誕生である。