独自性の高い作品が多数生み出されている「エロ同人ゲーム」。市場規模は年々拡大し、大手販売プラットフォームDLSiteは2020年度に250億円もの売上を記録した。
一つの文化として成長しているといって過言ではないエロ同人ゲームの世界。しかし、世間からの偏見もあってか、作り手にスポットライトが当たることはあまりない。はたして彼らはどのような経緯でゲームを作りはじめ、どのような思いを抱えているのか。
ここでは、匿名を条件に話を聞けた、エロ同人ゲームを制作する大手サークルの代表へのインタビューのもようを紹介する。
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元ホストのエロ同人ゲームクリエイターが語る業界の内情
エロ同人ゲームを制作しているサークルの人間というと、どういう人物像を思い浮かべるだろうか。おそらくいわゆるオタク的な年配の人物を思い浮かべるかもしれないが、筆者が会ったのは銀髪でファッションにもこだわりを持つ、モテそうな風貌の思ったよりも若い人物であった。
A氏(仮名)は、DLsiteやFANZAで作品が上位にランキングするほどの人気を持つサークルの代表。いわばエロ同人ゲームの業界最大手といっても過言ではないだろう。
しかも、A氏は歌舞伎町でホストを経験していたという。なぜエロ同人ゲームを作ることになっていったのか?
「ホストをやめたあと、家を買ってお金が余ったので起業したんです。その会社がうまくいったので、今度は好きなものを作りたいと考えました。」
エロ同人ゲームはあまり遊んだことがなかったが、それでも興味があったために飛び込み、成功をおさめる。
現在は、社員として声優やプログラマーも抱える状態になっている。人数に関しては「『ONE PIECE』の麦わら海賊団くらい」とのことで、それ以外にも業務委託やアルバイトの人員を活用している。また、会社として女性向けコンテンツを手掛けることもあるそうだ。
次に、直球の質問をぶつけてみた。ぶっちゃけた話、エロ同人ゲームは儲かるのか? と。