〈あらすじ〉

 元レスリング選手のマーク・ケアー(ドウェイン・ジョンソン)は、1997年の総合格闘技デビュー以来無敗を誇り、その圧倒的な破壊力から「スマッシング・マシーン(=壊し屋)」と呼ばれていた。一方で、怪我による慢性的な痛みと敗北への恐怖から、次第にオピオイド系鎮痛剤に依存するように。精神的にも不安定になり、恋人ドーン(エミリー・ブラント)との関係もギクシャクしたものになっていた。

 そんな中、日本で開催される格闘技イベント「PRIDE」に参加。盟友のマーク・コールマン(ライアン・ベイダー)をセコンドとして試合に臨むも惨敗。初めての敗北から立ち直ることができないケアーは、鎮痛剤の過剰摂取で意識を失い病院に搬送されてしまう。コールマンに諭された彼は、リハビリ施設への入所を経て再起をはかるべく、トレーナーのバス・ルッテン(本人)のもとで特訓を開始する。

〈見どころ〉

 本作のスローガンは「とことんリアルに」。キャストにも実際の格闘家が多数起用されている。

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“霊長類ヒト科最強”を誇った男の知られざる苦しみを繊細に描く
総合格闘家マーク・ケアーの挫折と再生の実話。主演のドウェイン・ジョンソンが自ら映画化を企画。これまで兄ジョシュとともに活動してきたベニー・サフディによる初の単独監督作。特殊メイクには日本出身のメイクアップアーティスト、カズ・ヒロが参加、本年度のアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされた。

©2025 Real Hero Rights LLC 配給:ハピネットファントム・スタジオ
  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆「勝っても負けてもクタクタになる人生」を輪切りにする語り口に引力がある。「負け犬の逆襲」というお約束を拒み、リングでも旅先でも自宅でも心を傷つけてしまう主人公の繊細さを体現するドウェイン・ジョンソンがさすが。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆PRIDEが総合格闘技界を沸かせた当時のファンは絶対に見逃せない。だがここでは闘う男たちの心身の痛みが描かれる。感情を抑制できなければ恐怖と不安で己を袋叩きにしてしまう。現実と闘う誰もが共感できる実話。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆曲者兄弟監督の弟のソロ作だが、意外にオーソドックス。屈強な男の影に潜む脆さを描く点で『レスラー』『アイアンクロー』等に連なる。抑制から零れる詩情が肝。恋人役E・ブラントの視点をもっと前景化させても良いのでは。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★ロック様演じる総合格闘家マーク! 90年代プライド時代の日本の再現、日本人キャスティングも見どころ。何より最強にして繊細な主人公に寄り添い共感し鼓舞するように設計された音楽。当時を覗くような不思議な臨場感も。

  • ゲスト評者
    竹田ダニエル(ジャーナリスト・研究者)

    ★★★★☆まるで別人のザ・ロックのビジュアルと繊細な演技にびっくり。殴る蹴る系の演出が苦手な人には題材的に若干厳しいが、サフディ監督らしい味わい深い劇伴や16mmフィルムが生み出す迫力ある世界観は圧巻。

    たけだだにえる/1997年生まれ、アメリカ出身・在住。「カルチャー×アイデンティティ×社会」をテーマに執筆、研究。2023年「Forbes JAPAN 30 UNDER 30」を受賞。著書に『世界と私のAtoZ』、『アメリカの未解決問題』(共著)など。

  • 最高!今すぐ劇場へ!★★★★★
  • おすすめできます♪★★★★☆
  • 見て損はない。★★★☆☆
  • 私にはハマりませんでした。★★☆☆☆
  • うーん……。★☆☆☆☆

 

「PRIDE」参加のために日本をたびたび訪れるケアー。大会関係者として大沢たかお、光浦靖子が出演。さらにケアーの対戦相手役は、プロ格闘家を引退したばかりの石井慧が務めている。
©2025 Real Hero Rights LLC 配給:ハピネットファントム・スタジオ
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『スマッシング・マシーン』
5月15日(金)~
監督・脚本:ベニー・サフディ
2025年/米/原題:The Smashing Machine/123分
https://happinet-phantom.com/a24/smashingmachine/index.html