18歳の長女への暴行容疑で5月25日に現行犯逮捕された阿部慎之助氏(47)は翌日に会見を開き、巨人監督からの辞任を発表した。警察では「姉妹でケンカしているところを『静かにしろ』と言ったら、言い返してきたのでかっとなった」と供述し容疑を認めたという。
深夜0時過ぎの釈放から半日後、硬い表情で都内の会見場に姿を現した阿部氏は黒いスーツに黒のネクタイ姿。どうにか落ち着いて振舞おうとしていたが、内心はかなり動揺していたのだろう。身体の前で組んだ左手の親指が何度も動いていた。不安や動揺に押しつぶされそうになる自分の気持ちをなだめるように、反対の手を何度も指で触っていた。
「私の家族のトラブルで多くの野球ファンの方、そしてプロ野球関係者の方、会社に多大なご心配とご迷惑をかけました」
その親指がひと際せわしなく激しく動いたのは冒頭の謝罪の中で、プロ野球関係者や会社という言葉を語った時だった。巨人一筋に生きてきた阿部氏にとって、今回の騒動は「プロ野球と巨人軍に迷惑をかけた」ことが最大のショックだったのだろう。
「本当に申し訳ございませんでした」
「とても深く謝罪したい気持ちでいっぱいです」と述べると、その場ではなく、一歩後ろに下がって深々と頭を下げた。突然の辞任、しかも現役監督が逮捕されるという前代未聞の事態を引き起こしたことへの謝罪を深く表明しようという意志が現れていた。
長女や家族に謝罪の言葉はなく「家族のトラブル」と表現
しかし一方で、暴行事件の当事者である長女や家族に対する謝罪の言葉はなかった。「まぁ私の家族のトラブルで」という言い方は会社への謝罪に比べると口調も軽く、児童相談所に通報したという長女については「娘も高校3年生という年頃なので、温かく見守っていただければ」と口元を固く結ぶに留めた。
現行犯逮捕に至る詳細な経緯やその後のやりとりが明らかになっていないため真相はわからない。長女の手紙に父親を責める言葉はなく、むしろ自分の判断ミスと言わんばかりの内容であり、それを聞く阿部氏の表情は憮然としたものだった。阿部氏からは長女との関係性において自分だけが悪いとは思っていないようにも見える。





