哲夫の記憶では、1999年暮れのことだ。すでに25歳になっていた。
〈戻ってすぐ西田と組む〉
メモ帳に、そう書き記した。
「西田(幸治)君と組むのは最終手段やったんですよ。ボケ同士やし、言うたら、ライバルやと思っていたんで」
いずれ衝突する――。それも覚悟の上の決断だった。
哲夫を「最終手段」に走らせたもの。それは、当時、まだ無名だった東京のあるコンビだった。
なかなか相方が定着しない哲夫は、4人目のパートナーとも一度舞台に立っただけで別れてしまった。そろそろ本腰を入れて相方を探さなければならないと思い立ち、哲夫は思い切って東京まで足を運んだ。以前、ライブで一緒になった芸人で、ツッコミが抜群にうまい人がいた。その芸人が東京で活動しているという噂を聞きつけたからだ。
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source : 週刊文春 2021年11月25日号