おぎやはぎの勃興、笑い飯の焦り

「笑い神 M-1、その純情と狂気」第4回——新宿のライブで観た斬新な漫才。その衝撃が哲夫の心をはやらせた。

中村 計
エンタメ 芸能 テレビ・ラジオ

哲夫の記憶では、1999年暮れのことだ。すでに25歳になっていた。

〈戻ってすぐ西田と組む〉

 メモ帳に、そう書き記した。

「西田(幸治)君と組むのは最終手段やったんですよ。ボケ同士やし、言うたら、ライバルやと思っていたんで」

 いずれ衝突する――。それも覚悟の上の決断だった。

 哲夫を「最終手段」に走らせたもの。それは、当時、まだ無名だった東京のあるコンビだった。

 なかなか相方が定着しない哲夫は、4人目のパートナーとも一度舞台に立っただけで別れてしまった。そろそろ本腰を入れて相方を探さなければならないと思い立ち、哲夫は思い切って東京まで足を運んだ。以前、ライブで一緒になった芸人で、ツッコミが抜群にうまい人がいた。その芸人が東京で活動しているという噂を聞きつけたからだ。

初回登録は初月300円で
この続きが読めます。

有料会員になると、
全ての記事が読み放題

  • 月額プラン

    1カ月更新

    2,200円/月

    初回登録は初月300円

  • 年額プラン

    22,000円一括払い・1年更新

    1,833円/月

※オンライン書店「Fujisan.co.jp」限定で「電子版+雑誌プラン」がございます。ご希望の方はこちらからお申し込みください。

有料会員になると…

世の中を揺るがすスクープが雑誌発売日の1日前に読める!

  • スクープ記事をいち早く読める
  • 電子版オリジナル記事が読める
  • 解説番組が視聴できる
  • 会員限定ニュースレターが読める
有料会員についてもっと詳しく見る
  • 0

  • 0

  • 0

source : 週刊文春 2021年11月25日号

無料ニュースレター登録はこちら

今すぐ登録する≫

新規登録は「初月300円」から

今すぐ登録する≫
閉じる