「時代の寵児と言われ、トップランナーとして疾走し続けるために、あいつはもの凄く努力してたんですよ」。しらけ世代の旗手・ショーケン。その誕生と緊張の日々。
(しまざききょうこ 1954年、京都市生まれ。ノンフィクションライター。著書に『森瑤子の帽子』
『安井かずみがいた時代』『この国で女であるということ』『だからここにいる』などがある。)
戦後、劇場や映画館が建ち並ぶ日比谷は、日本のエンターテインメントの中心地として発展してきた。渡辺プロダクションの系列会社でCMや映画、ドラマ制作を手がける渡辺企画もこの一角、クラシックな三信ビルの2階に事務所を構えていた。現在、東京ミッドタウン日比谷がある場所で、ビルの向かいに洋画専門の日比谷映画劇場があった。1970年代前半、20歳を過ぎた頃の萩原健一が通い詰めた映画館である。
制作プロダクションPDSの代表で、「放送人の会」の理事を務める工藤英博は、桃井かおりを女たちのロールモデルにした79年公開、東陽一監督「もう頬づえはつかない」など時代に呼応する作品を作ってきた辣腕プロデューサーだ。84歳の今も現役だが、渡辺企画の企画制作部長時代はしばしば三信ビルにやってくる13歳年下の萩原と映画談義にふけり、俳優としてスタートする彼を引き上げた。
数多の作品を作り、数多の俳優と出会った工藤にとって、萩原健一は到底忘れることのできない才能である。
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source : 週刊文春 2022年1月13日号