中央線に乗っていたら、突然、密室殺人のアイデアが浮かび約1週間で書きあげました。|東川篤哉

新・家の履歴書 第798回

石井 千湖
ライフ ライフスタイル

(ひがしがわとくや 作家。1968(昭和43)年、広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、会社員を経て作家デビュー。2011年『謎解きはディナーのあとで』で第8回本屋大賞受賞。最新作は9月末刊行予定の『仕掛島』(東京創元社)。『魔法使いと最後の事件』も10月に文庫化される。)

 

 僕は1968年、広島県尾道市で生まれました。そのとき両親と2歳違いの兄と一緒に住んでいたのは、父の勤務先である海上保安庁の官舎です。わりとすぐ引っ越したので、どんな家だったのかほとんど何もおぼえていません。

 父は航路標識事務所で灯台を管理する仕事をしていました。昔で言うと「灯台守」。だから灯台のある海辺の町を転々としていたんです。

 と、作家の東川篤哉さんは語る。東川さんは、シリーズ累計436万部のベストセラー『謎解きはディナーのあとで』など、ユーモアあふれる本格ミステリの著者として知られる。記憶に残る最初の家は、どんなところだったのだろう。

 尾道の次に住んだ、佐賀県呼子町(よぶこちょう)(現在は唐津市)の官舎です。団地みたいな建物と平屋の古い家が並んでいました。最初は平屋のほうで、途中から新しい団地のほうに移った気がします。こちらも、間取りなどの細部はおぼえていませんけど。

 小学校に上がるタイミングで、父がまた転勤になったので、長崎県佐世保市に引っ越しました。やっぱり家は官舎でした。平屋の家が2軒並んだ長屋のようになっている建物で、畳の部屋が三つくらいあったと思います。

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source : 週刊文春 2022年9月22日号

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