年明け早々に元「モーニング娘。」の後藤真希についてのブログ記事が評判となる。なんでも後藤が「一部のファンと遊んでいる」と発言したことから、ファンのあいだでは「ヲタ奴隷を侍らせている」と話が広がっているが、いやいやそうじゃない、というもの。題して「ヲタ奴隷80人は事実ではない!後藤真希の元『ファンの友だち』がごっちんヲタに伝えたいとても大切なこと」だ。

 現在は有料記事となっているので差し障りのない程度にあらすじを紹介すれば……。ブログ主はファンが高じてゴマキの母親が営む居酒屋に通うようになり、やがてゴマキと会って遊んだりする「ファンの友だち」になっていく。いつ電話があっても出られるようにとゴマキからの電話は着信音を変えるなど、24時間365日をひとりのアイドルに捧げたファンの青春の回想録と読める。

ファンとの関係に潜む闇が明らかになったNGT暴行

NGT48・山口真帆 ©時事通信社

 こうした親密な者もいるように、ファンは多層であり、アイドルとファンの関係性は複雑である。そこに潜む負の面が露見する出来事が今年になって詳らかとなる。「NGT48」のメンバー・山口真帆が襲われた事件だ。昨年12月、公演から帰宅した際に自宅前で男性2人に顔をつかまれるなど暴行を受ける。

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 流行歌手が襲われるといえば、古くは美空ひばりが塩酸をかけられたり、こまどり姉妹が刃物で刺されたり、あるいは松田聖子が工具で殴られたりと、昭和のおじさんの感覚でいえばステージ上で起きるもの。それらはファンの一方的な想いが高まった勢いでの犯行であった。しかし今回の事件はそうではない。自宅前というプライベートな場所、しかもオートロックのマンション内で起きる。さっそく配信された週刊文春デジタルの記事によれば、《1年以上前から、事件現場となったマンション内に部屋を借りていたことも判明。その目的は、NGT48メンバーとの「接触活動」だという》。

 それだけでも異様だが、事件が明るみに出た翌日には、山口がステージで謝罪する。「運営」はHPにことの経緯と謝罪文を掲出したものの、表立って詫びるのが被害者という展開はどうしたものか。「週刊SPA!」の記事「ヤレる女子大学生RANKING」にひとりの学生がたちあがり、そこで名指しされた各大学の当局も抗議をしたのと対照的である。あとになって「運営」の支配人が変わるなどしたが、組織として若い者を守ることよりも、組織の防衛を優先しているかのようであった。