ロッテ、優勝や! 間違いなく私がスポーツ新聞のデスクであれば、そう叫び、新聞の見出しにしているだろう。ロッテの補強が凄い。とにかく凄いのだ。15日には寿司ボーイこと日本ハムに在籍し16年にはホームラン王となったブランドン・レアード内野手の入団を発表(日本での4年間で131本塁打の奇跡)。これにはファンも狂喜乱舞。一時は話題のツイートランキングのトップ10に「千葉ロッテマリーンズ 優勝」というワードが入ったほどだ。

史上最強打線の完成

 タイミングも良かった。この吉報が届いた日、海の向こうプエルトリコで、これまたロッテの新外国人であるケニス・バルガス内野手が参加していたウィンターリーグで満場一致のMVPに輝いたのだ。31試合に出場して打率.376、6本塁打、20打点。出塁率.517、長打率.624という驚異的な数字。バルガスが「日本でもMVP獲れるようにガンバルガス!」と言ったとか、言わなかったとか。メジャーで通算35本塁打。当たったらどこまでも飛ぶ飛距離が魅力でこの強打者の加入だけでもロッテ打線に大きな厚みを感じていただけに、加えてレアードである。「ロッテ、優勝! 独走や!」とファンが叫びたくなるのも、うなずける。

新外国人であるケニス・バルガス ©getty

 もちろん、これ以外にも好材料が出るわ出るわの宝島発見状態。まずは昨年から改修が始まっているZOZOマリンスタジアム。外野は最大4メートルせり出し、これまで日本一ホームランが入りにくかった球場が一変する。外野フェンスギリギリまで飛ばす。いわゆる惜しい当たりのスペシャリストの集まりだったマリンガン打線にとって、これほど的確な改修はない。もともとソフトバンク・柳田や西武の山川などは飛べばスタンドイン。一方のロッテは「外野フェンス手前までは飛んだけどなあ、惜しいね」というシーンが何度も見られた。それが2019年シーズン、すべてがホームラン。夢のような最強打線が誕生する。もしかすると本塁打数12球団トップに躍り出る可能性すらある。

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 ちなみに、ちなみにである。18年に24本塁打を放ったロッテの誇る和製大砲・井上晴哉内野手が、もし昨年、すでに外野フェンスが最大で4メートルせり出していたら、惜しい当たりは何本、ホームランになっていたのか。私は試合をすべて見直して数えさせていただきました。厳しくジャッジして実に11本。つまり35本塁打である。当然、これで負けた試合も勝っているわけで、これだけでもだいぶ情勢が違う。これに加えて、レアード、バルガスなのだ。史上最強打線の完成と言っても過言ではないではないか!

 妄想を膨らませてみる。ではズバリ、今年のこの3人の成績は、どんなものか。小学生も分かる算数のように簡単である。3番 レアード(レフト)、打率.250、34本塁打、85打点。4番 井上(ファースト)、打率.298、38本塁打、110打点、5番 バルガス(DH)、打率.252、34本塁打、81打点。クリーンアップの前後も長打警戒のため4番へのマークも薄くなり、井上本人もプレッシャー軽減。言いことづくし。興奮して鼻血が出てきそうな猛烈な勢いを感じる。