猫は語る、「なんとかなるさ」と
『にゃんくるないさー』 (北尾トロ 著)
「なんとかなるさ」という意味の琉球方言「なんくるないさー」を髣髴とさせるタイトルの本書。深刻に考えれば必ずしも正解に辿りつけるわけじゃない、たまには肩の力を抜いてさ――そんな風に語りかけてくるようです。そうね、“レッツポジティブ”!
そんな出だしで紹介を始めたものの、沖縄の話は本書には出てきません。フリーライター・北尾トロさんが30年に渡り寄り添ってきた猫たちとのエピソードを綴ったエッセイ集です。なぜか引っ越す先で猫と出会い、家族の形が変わるたびにまた引っ越し。新居には初めての飼い猫を最初に連れて行くとうまくいく、なんて豆知識も(実際のところ、2匹以上の猫を連れてスムーズに引っ越すコツをググると、同じことが書いてあったりします)。
ご自身も猫を愛する作家・角田光代さんの解説をご覧いただけます。
■解説(文:角田光代│作家)
「猫は未来を憂わない」(2015.06.03公開)
『にゃんくるないさー』
北尾トロ 著
定価:本体650円+税
発売日:2015年05月08日
33歳独身、猫ふたりとの暮らしをゆるっと
『女いっぴき猫ふたり』 (伊藤理佐 著)
週刊文春で連載中の「おんなの窓」シリーズ、最新刊『おんなの窓 5』が刊行された伊藤理佐さんが、33歳の頃にニャコ(アメショ・9歳)、クロ(黒猫・9歳)の3人で暮らしていた当時の日々を綴っています。奮発して買ったベッドやおもちゃをまったく使ってくれないなど、“猫飼いあるある”を交えた脱力感あふれる猫漫画です。
(あまり知られていないようですが)実は手塚治虫文化賞を受賞している本作、ゆるりとお楽しみください。
『女いっぴき猫ふたり』
伊藤理佐 著
定価:本体552円+税
発売日:2011年09月02日
愛猫家として知られた向田邦子さんの魅力を振り返る
今年で没後35年を迎える向田邦子さん。愛猫家としても有名で、文春写真館ではタイ語で伯爵(マハシャイ)の称号を持つコラット種・マミオとのひとときをご覧いただけます。
■文春写真館
「向田邦子と愛猫マミオ」(2009.11.09公開)
そのマミオとのツーショット写真が表紙の『向田邦子ふたたび』は、没後30年の2011年に刊行。百余点の秘蔵写真とともに向田さんの魅力に迫る、ファン必携の1冊です。
向田邦子の素顔に迫る1冊
『向田邦子ふたたび』
文藝春秋 編
定価:本体686円+税
発売日:2011年07月08日
そして文春文庫の最新刊は、何気ない日常を鋭くも温かい観察眼で綴った『無名仮名人名簿』の新装版。猫にまつわるエッセイもありますので、どうぞお楽しみください。
■解説 (文:篠﨑絵里子│脚本家)
「白黒つけないリアリティ」(2015.12.23公開)
文庫最新刊
『無名仮名人名簿』
向田邦子 著
定価:本体650円+税
発売日:2015年12月04日