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「カレー天ぷらそば」の「スカ天」がうまい
「えびすや」では、かつお節と日高昆布をふんだんに使って出汁を引いている。返しは紫の良く映える甘味の少ないタイプで、つゆは上品かつ端麗である。
麺は京急田浦の船越町にある「(有)船食製麺」の茹で麺を使用しているが、この麺は角が立ったしっかりとコシのある麺で、茹で麺とは思えない出来栄えである。
さっそく、「カレー天ぷらそば」を注文した。その作り方も本格的だ。あらかじめ、片栗粉とカレー粉でカレー餡を行平の鍋に作ってあり、注文ごとにそれを小鍋に移して玉ねぎなどを合わせて温め、一杯ずつ作っていく。カレー餡はスパイシーで出汁が際立つ。そこに軽めの天ぷらがのって登場する。
そして、なんといってもこの天ぷらがすこぶる旨い。薄くカラッと揚げられたクリスピーな天ぷらである。どろ(衣のもと)は小麦粉と水だけで作り、にんじんや玉ねぎなどの細切りと一緒に、油に散らすようにしていったん広げてから徐々にかき揚げにまとめて行く。「横須賀天ぷら(スカ天)」などと大衆そば好きには言われている。「えびすや」では創業当時からこの揚げ方である。スカ天発祥の店かもしれない。これをカレー餡にひたすと、すぐにほぐれて馴染んで行く。