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20歳で鹿島の10番 安部裕葵が明かす「ジーコさんに肩を叩かれたあの日」

鹿島アントラーズ・安部裕葵選手インタビュー#1

2019/03/08
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満男さんが背中で教えてくれたことと「レアル・マドリー戦の涙」

――小笠原さんはまさに背中で引っ張っていくタイプだと思いますが、彼が引退したことをどう受け止めていますか?

「満男さんが若い頃、どういう選手だったのかは分からないですけど、この2年間一緒にプレーさせてもらって、チームのことを本当に第一に考えている方でした。この2年間は痛いところがたくさんあったと思うんですけど、弱音を吐いているところは見たことがないですし、手を抜いているところも見たことがない。そういう選手が背中で見せてくれると、若い僕たちも自然とやらなきゃ、っていう気持ちになる。それが、鹿島が強い集団でいられる理由だと思います」

――クラブ・ワールドカップといえば、準決勝でレアル・マドリーに敗れたあと、涙を流していました。あの涙の意味は?

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「周りからは悔し泣きに見えたかもしれないですけど、そうではなくて。満男さんが辞めるのは知っていたので、最後のタイトルを目指して戦っているなかで負けてしまって。でも、アジアのタイトルを獲ることはできて、『この1年、すごく充実してたな』っていう想いがこみ上げてきたんです。もちろん、国内タイトルが獲れなかったのは残念ですけど、そうした勝ち負けや、自分がケガをして復帰したことも含め、いい1年だったなって。それに最後、チームメイトとハンドシェイクしたとき、『自分は今、本当に恵まれた環境にいるんだな』と思って、感極まってしまいました(苦笑)」

 

アイドルには……興味はないですね

――10代の最後に充実した1年を過ごし、今年1月28日に20歳になりました。ハタチになって、心境の変化は?

「何も変わらないです。お酒が飲めるようになったくらいじゃないですか(笑)」

――でも、別に飲むつもりはないわけでしょう?

「そうですね。飲むつもりは一切ないです」

――ちなみに、1998年~99年早生まれには、アスリートや芸能界で有名な方がたくさんいて、例えば、格闘家の那須川天心さん、スノーボーダーの平野歩夢さん、女優の広瀬すずさん、橋本環奈さん。

「はい。もちろん、知ってます」

――乃木坂46の齋藤飛鳥さん、欅坂46の長濱ねるさん。

「ああ、ちょっと分からないです。お名前くらいは」

――この世代は、奇跡の世代と言われているそうです。

「そうなんですね。でも、分からないですよ。5年後には誰も残っていないかもしれない。芸能界のことはよく分からないですけど、スポーツの世界、サッカーの世界は循環が早いですから」

――とても20歳の発言とは思えないです(笑)。乃木坂46だとか欅坂46だとか、アイドルに興味はないんですね。

「ないですね。もちろん可愛いとは思いますし、嫌いではないですけど、のめり込むことはないです」