ヤンマー時代から30年近く、クラブに身を捧げてきたミスターセレッソ。2度のW杯も経験した森島寛晃氏が昨年12月、社長に就任した。
積極的に挨拶まわりを行い、2カ月で1000枚の名刺を配ったという森島氏。クラブの経営者として、いま何を目標にしているのか、話を聞いた。(全2回/1回目から続く)
◆◆◆
開幕戦に4万人来てくれて、いい宿題をいただいた
――今季のJリーグ開幕戦(2月22日)ではアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキら世界的ビッグネームを擁するヴィッセル神戸を迎え、金曜日開催にもかかわらずホームのヤンマースタジアム長居に4万2000人強の観衆を集めました。森島社長になって、一発目の公式戦。結果も1-0で勝利し、幸先のいいスタートを切りましたね。
「クラブは今年、創設25周年のメモリアルイヤーなんですよ。相手が神戸さんということもあって、本当に多くのお客さんに来場していただきました。でも他のカードが土曜日なので先にやらせてもらうことの注目度や、Jリーグさん、(放送する)ダゾーンさんの協力もあって、ああいう盛り上がりが生まれたのかなと感じています」
――森島社長の“挨拶回り効果”もあったんじゃないですか?
「ないです、ないです(笑)。ヤンマースタジアム長居は器も大きいので、毎回あれほど埋めるのは難しいですよ。でも4万人のお客さんが来てくれたことで、いい宿題をいただいた。盛り上げていけば、それぐらいの人が集まってくれるって実感を得ただけでも僕にとっては大きかったですね」
――チーム統括部にいた昨年まではピッチ内を見ていればよかった。しかし社長になると、見るところも変わってくるでしょうね。
「もう本当に、全体ですよね。ピッチの中も外も。普段はあまり気にも留めなかったところが気になったりとか、サポーターはどんな感じで見ているかとか、もうありとあらゆるところ。せっかく来てもらったのに、次の試合は見にいかんでもええかとなったら困りますからね」