『勝手にふるえてろ』を大ヒットさせた大九(おおく)明子監督。その最新作は、婚活の「震えるような現実」を描いた『美人が婚活してみたら』だ。
32歳のタカコ(黒川芽以)は自他共に認める美人だが、不毛な恋愛に疲れ、婚活サイトに登録。美人ゆえに相手に「サクラだろ!」と罵られたりとなかなかうまくいかないが……。
原作は同名の人気漫画。大九監督が「天才」と絶賛するお笑いコンビ「シソンヌ」のじろうが映画脚本に初挑戦している。タカコが親友(臼田あさ美)や親に日頃溜め込んだ毒を吐く台詞が秀逸だが、
「じろうさんは優しいから、女性の生々しい本音や、罵詈雑言、ベッドシーンの後の凶暴なモノローグは、私が書き足しました(笑)」
公園でひとり鳩にポップコーンをあげているタカコが小学生に鳩を追い散らされ、ふいに圧倒的な孤独を感じて「死にたい……」と呟くシーンから物語は動き出す。
「これは私の浪人時代の実体験です。唯一のささやかな楽しみだったので、なぜかすごく絶望を感じたんですよ」
タカコが揺れ動く2人の男性には今をときめく田中圭(バツイチ・イケメン歯科医)と中村倫也(素朴なオクテ男子)。最後にタカコはどんな道を選択するのか?
「タカコが今まで自分の個性だと思っていたことも、実は昔の男の影響でした。これはタカコが“素の自分”を取り戻していく物語なんです」
INFORMATION
『美人が婚活してみたら』
3月23日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
http://bijikon.official-movie.com/