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2019/03/23

トルシエ以外、W杯で結果を出せていない現実

 多くの日本人選手が海外でプレーするようになり、本田圭佑、香川真司、長友佑都らビッグクラブでプレーする選手も出た。チャンピオンズリーグなどに出場してプレーし、世界を肌で知るようになり、優秀な監督にも触れ、選手の意識が変わった。また、情報は身近になり、世界がものすごいスピードで動いているのを実感できるようになった。20年前と時代背景や状況がまったく異なっている今、監督だけがさしたるチェックポイントもなく、依然として4年間(ザッケローニは2年契約2年延長オプション)を任されているのだ。

 そもそも日本代表を4年間、任された監督はその時間を持て余し、トルシエ以外、W杯で結果を出すことができていない。

 加茂周は、94年10月のアジア大会で解任されたファルカン監督の後を引き継いだが、96年5月のメキシコ戦に3-2で勝った時がチームのピークだった。そこから下り坂に転じ、97年W杯最終予選のアウェイのカザフスタン戦でドローの後、解任された。

加茂周監督 ©文藝春秋

 ジーコは2004年の欧州遠征でイングランドと互角に戦ったのがひとつのピークだった。ザッケローニの時は13年7月のEAFF東アジアカップの前にベースが完成し、秋のオランダ、ベルギー戦でチームがほぼ完成した。ハリルホジッチ監督はピークが見えないまま、最終的にW杯ロシア大会本番前に解任された。

ザッケローニ監督 ©文藝春秋

 どの監督もW杯本番のかなり前にチームが完成してしまい、新陳代謝ができずにマンネリと中だるみが生じ、組織力や競争力が低下していった。その結果、加茂とハリルホジッチは本大会にたどり着けず、ジーコとザッケローニはW杯で1勝もできず、グループリーグ敗退に終わっている。

ジーコ監督 ©文藝春秋

W杯ベスト16に導いた監督は「短期間」

 過去ベスト16に進出したW杯はトルシエ以外、短期間で結果を出している。

 2010年W杯南アフリカ大会、岡田武史監督は2年半かけてチーム作りをしており、正確には短期間ではないが大会直前にW杯予選を勝ち抜いたシステムでは勝てないと判断。レギュラー選手を大幅に入れ替え、アンカーを入れた守備的システムに変更した。大会1か月前にまったく違うチームになったが、追い込まれた選手が腹を括って新システムをこなし、初戦のカメルーン戦に勝って勢いに乗った。

岡田武史監督 ©文藝春秋