昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2019/03/23

「監督を決める試合」をやってはどうだろう

 能力がある監督であれば、時間が少ない中でも自分のやり方を通して結果を出すだろうし、少なくともその方向性は見せてくれるだろう。実際、トルシエは世代別だがわずか2カ月の指導でチームを99年ナイジェリアワールドユース準優勝に導いた。自分のカラーを出せない監督、チームに何か変化を見せられない監督は、2年やってもきっと何も変わらない。そういう監督は選手にとっても物足りない。

 監督の最終決定は、対戦相手やメンバー編成やそのスタイルの好みに関係なく、年間勝率1位がW杯の指揮権を得る。ただ、3人の勝率が僅差、あるいは並ぶ可能性があるので、総仕上げとしてラストマッチを行い、その内容と結果で最終判断をする。

 その試合は非常に大きな注目を集めることになるだろう。

西野朗監督 ©文藝春秋

 W杯に出場する選手を決める試合ではなく、監督を決める試合は、日本サッカー史上初めてだろうし、世界にもない試みだ。監督には相当のプレッシャーがかかるだろうが、それを乗り越えた人こそW杯を指揮する監督に値する。

 突飛な案だと思うかもしれないが、このくらい思い切ってやってもいいのではないか。

マラソンの改革に学べ

 日本陸上界は、長距離(マラソン)の低迷を脱するためにMGCを実施することで今、大きな盛り上がりを見せている。実力的には世界にはまだ及ばないが選手の力とモチベーションを上げた。その結果、大迫傑らスター性を持った実力のある選手が出てきて、マラソンを含む長距離ランナーの底上げに成功しつつあり、さらに日本中にマラソンへの関心を深めた。これは日本独自の東京五輪に出場するマラソン選手の選考方法だが学ぶべきところは大きい。

 日本代表は、アジアカップでベースを作ったチームをさらに進化させるための第2ステージに入った。この先、森保一監督が日本代表をどのように成長させていくのかは分からないが、日本のサッカー界もMGCを監督選考試合に置き換えて考えるなど、監督の新たな選考方法などの準備はしておくべきだろう。先鋭的な案が上がっても前例がないとか、リスクが大きいという理由で日の目を見ないかもしれないが、一番最悪なのは何かが起こった時、“何もない”ということだ。

この記事の写真(7枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー