郵政民営化は「落選の恨み」だった?
田中眞紀子更迭の直後こそ小泉内閣の支持率は下がりましたが、またやがて回復してきます。そうして本腰を入れだしたのが、大蔵政務次官のときから言いつづけてきた郵政の民営化でした。
そもそも小泉さんはなんで郵政民営化を思いついたのか。「1回目の選挙で落ちたときの恨みのせいだ」──こういう話がけっこう広まっているのです。
慶應の経済学部を出てロンドンに留学。ご本人も言うように留学とは名ばかりで、ひたすらミュージカル鑑賞に明け暮れた遊学だったようですが、1969年8月に父・純也さんが急死します。急遽、地元の横須賀に呼び戻されて暮れの総選挙に出馬するも落選。でも、全国の落選者の中で最多得票数をとったのが純一郎さんでした。
当時はまだ中選挙区制でしたから、自民党から複数候補が出ていたのですが、彼がアテにしていた特定郵便局長たちはライバル候補を応援してしまった。これが敗因だとして、このときの恨みを彼は持ち続けたという説です(特定郵便局長については後述)。
ある種の都市伝説かも知れませんけど、遺恨が郵政改革を生んだとなれば面白い話であることは間違いありません。
(構成=浦谷隆平)
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