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家事代行は贅沢? 「食事を人に作ってもらう」ことを「母親失格」と言う人たち

「出張作り置きサービス」シェアダインCEO飯田陽狩さんインタビュー #1

2019/03/29

 仕事を終えて帰宅してから作る料理は憂鬱――。そんな時、多くの人が利用するのが惣菜やお弁当、外食だろう。そこにもう一つ、選択肢を加えようとしている会社がある。

 家庭と食の専門家をマッチングし、「出張作り置きサービス」を提供しているシェアダインだ。子育て世帯を中心に「食の悩みが解決できる」と、2017年の立ち上げ以来、利用者を増やしている。手料理が出来合いの惣菜にとって代わられているいま、「家庭料理を次世代に伝え、一世代先の食卓を一緒に創りたい」と話す飯田陽狩代表取締役社長(CEO)に、その理由を聞いた。

(全2回の1回目 #2へ続く)

©文藝春秋

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1食あたり600円~800円の価格設定

──「専門家が家に来て作り置きを作ってくれる」と聞くと、「自宅にシェフを招いてホームパーティーをする」というように、限られた人が利用する贅沢なサービスというイメージがあります。

飯田 確かに立ち上げ時は「贅沢だ」と言われることが多かったですね。今でも「お金持ちだけが利用する高級サービス」と、ちょっと嫌味を言われることはありますが、食材費を足して品数で割ってみると、実は1食あたり600~800円くらいで、そんなに高くないんです。お惣菜やお弁当を買って家で食べるのと同じくらいなんですよ。

──そんなに高くないんですね。家事代行は色々ありますが、食のプロが、何食分も作ってくれるサービスも、他にはない目新しさを感じます。

「作り置き」イメージ シェアダイン提供©文藝春秋

飯田 シェアダインは現在、300人以上の料理家さんにご登録いただいています。登録者が管理栄養士や調理師など、何かしらの専門性を持っているのを特徴にしていますが、ビジネス性を追求して収益をあげると、ユーザーが気軽に利用できない金額になってしまいます。

 私たちがこだわっているのは、「ハレ」の日の食事ではなく、「ケ」の日の食事を豊かにすることなんです。気軽に利用してほしいのと、料理家さんが自分の仕事に自信を持って楽しくサービスを提供してほしいので、価格設定は各料理家さんの判断にまかせています。料理家が提供したい価格と、ユーザーが利用したい価格が、結果として「1食あたり600~800円」という価格設定につながっているということでしょうか。