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ビールも売り子も弁当も……ホークスが企てる球場グルメ革命

文春野球コラム ペナントレース2019【対戦テーマ:東京】

2019/04/22
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球場グルメにも革命を

 スポーツ業界、つまりスタジアムグルメで史上初となる「金賞」を受賞したお弁当が販売されているのだ。まだ多くの方はご存知ないのではなかろうか。

 業界内で最も格式高いとされているFABEX主催の「惣菜・べんとうグランプリ2019」で、ヤフオクドームの「宮崎牛贅沢肉弁当」がプレミアム部門で金賞に輝いたのだ。商品総数1202品の中から金賞に選ばれたのは18品のみ。テパ地下や催事で販売されるお弁当などと同じフィールドで勝負をして、見事に勝ち取った栄誉だった。

「球場グルメも魅力的な商品はたくさんあります。たとえばデパートの催事でも販売されるようなお弁当と同じ舞台で競って認められることで、世間一般にも評価されるものにしたかったんです」

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 このように語ったのは球団ゲストサービス部の大山隆太部長だ。ビール売り子ブランディングの仕掛人もこの人である。

 今回金賞を受賞した「宮崎牛贅沢弁当」は、なんと2300円なり。うん、高い!!

A5ランク「宮崎牛贅沢弁当」 ©福岡ソフトバンクホークス

 でも、メチャクチャ美味いんです、これが。噛み応え抜群の宮崎牛のサーロインはミディアムレアの仕上がり。お弁当のお肉って大体しっかり焼かれているのが多いのだが、「グルメ嗜好の方を調査していくと少し赤身が残っていて、肉の脂の美味しさを感じたいという声が多かったので、衛生上をもちろんクリアして実現させました」と大山部長。また、弁当は冷めた状態で食べるために濃い味付けになりがちなのだが、肉の本来の味が残っているのもスゴイ。そして、もう一方の甘辛く味付けされた方のお肉もウマイ。ご飯がどんどん進む。

「このお弁当のお店とは、三越の催事を訪れた際に出合いました。その時食べた中で一番美味しかったので。この『宮崎牛贅沢弁当』はホークスと一緒に開発をしたものなので、ヤフオクドーム限定での販売です。値段はたしかにお高めですが、毎試合完売となっており、私もびっくりしております」

宮崎出身の加治屋蓮投手と「宮崎牛贅沢弁当」 ©福岡ソフトバンクホークス

美味しさを求めて海外にも

 デパートの催事や物産展のためにバイヤーが全国各地を巡って美味しいものを探し回る特集を何度かテレビ番組で見たことがあるが、大山部長はまさにそんな動きをしている。昨年末にはシンガポールやハワイにまで出向いた。また、1年前の今頃はニューヨークにも出かけた。

「メジャーリーグの公式サイトを見ていたら、メジャー30球団のスタジアムグルメ食べ放題というイベントを発見したんです。チケットは完売していたのですが、メジャーリーグ機構の方に掛け合って、なんとか中に入ることが出来ました。日本のプロ野球球団で来ていたのはウチだけでしたね」

 球場グルメはこれからも進化します、と大山部長。さらに2020年春以降にヤフオクドームに隣接する形で開業する「エンターテイメントビル(仮称)」の中にも、ほかでは味わえない、楽しめないグルメを取りそろえる準備も進めているそうだ。

「ホークスの応援、プロ野球観戦を楽しんで頂くのはもちろんですが、これが食べたいからヤフオクドームに行こうと言ってもらえるような空間にしたいですね」

 ひと昔前の球場メシは「高くて、おいしくない」だったが、ホークスはその概念を真っ向からぶち壊しに行った。球場グルメに革命が起きている。それも楽しみに、ヤフオクドームに足を運んでみてはいかがだろうか。

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