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関西球団のエネルギーの源……その名も「東京コンプレックス」について

文春野球コラム ペナントレース2019【対戦テーマ:東京】

2019/04/22

「東京」は関西人にとってコンプレックスを抱かせるワードなのか

いとしさも 憎しみも すべてすべて ぎゅっと抱きしめ 祈るように 今日も灯が ともる東京〉
 
 やしきたかじんの名曲「東京」。その他、BOROの「大阪で生まれた女」など関西目線で東京を歌う場合、何処と無くコンプレックスの塩味が濃いような気がする。どうも東日本出身のフジファブリックのそれや、レミオロメンのそれとは少し毛色が違っているのだ。まぁ西日本の代表を勝手に自認している関西にとって、やはり東京は一番意識する相手という事か。「東の○○西の××」と常に比較されてきた歴史を考えてもそれはよく理解出来る話だろう。関西ローカルの番組を見ていても、やはり東京で活躍する芸人に対しては少し引け目を感じるような、そんな印象を受ける。「東京」、やはり関西人にとってはコンプレックスを抱かせるそんなワードなのだろうか。

 そもそも東京の人は関西の事を全く意識していないだろう。いや意識しているとすれば都知事がイメージカラーを大阪維新の会と同じグリーンにした事くらいか。意識してないのに、こちらは勝手に意識するから空回る。これも自分の勝手な印象でしかないが、東京の女性は終電を逃した事を大声でアピールしたりしない。「うわぁー、やばー、終電ないやん」と大声で喚き散らすのは関西女性、いや大阪女性だけに与えられた至極のサービス精神じゃないのだろうか。ライブ中だってそうだ、MCにイチイチ合いの手を入れてくるのは関西の会場限定で、東京でライブをする時は少々MCが少ないくらいの方が受けが良い。相手が楽器弾きだろうと「何か面白い事を言えや」というオーラが存在しないのだ。オーラは存在しないのに勝手に浮き足立つ。面白いトークを期待されているんだろうなとの強迫観念が勝手にライブ中に喋らせる、そして決まって滑り倒すのだ。完全な空回りである。あっ、野球の話をしようか、そろそろ。

空回りした東京でのバファローズナイン

 パ・リーグ6球団に現在では東京をフランチャイズとする球団は無い。よってバファローズが「東京」で試合をする機会は極端に少ない。関東圏でも千葉と埼玉。日本ハムが以前東京ドームを準本拠地としていたが、現在では完全に北海道のチームとなった。もちろん東京都での試合開催に保護権を有するチームも存在しない。その為、近年では多くのパ・リーグ球団が「東京」で主催試合を行うケースが増えてきた。しかし、仮に東京都内の野球場でパ・リーグ球団が主催試合を開催する場合、東京に保護権を有する巨人及びヤクルトの許諾が必要になる。勿論プロ野球の開催に適した球場となると東京ドームないし、明治神宮球場での開催が望ましく、許諾の他に高額な球場の使用料も発生するだろう。

東京ドームでの試合に勝利し、喜ぶオリックスナイン

 それでもORIX球団は2004年から2009年まで毎年2試合の主催試合を東京ドームで開催していた。親会社ORIXの本社勤務の面々が観戦を楽しみたい事や、本社の主要取引先の接待に使いたい等さまざまな思惑もあるのだろうが、やはり東京での開催を楽しみにしてくれているファンの為にと、東京での主催試合を毎年行ってきたのだ。しかしそこは冒頭でも触れた関西勢の悲しき性。空回るに決まっている。関西のチームにとって東京ドームのグラウンドは「餃子の○将」の床と同じく非常に滑りやすいのだろう。そう、空回っているバファローズの東京での戦績は、決して華々しいものでは無かったのだから。最近も世界のスーパースター・イニエスタの目の前で楽天・岸孝之に完投勝利されてしまった事は記憶に新しいだろう。「楽天スーパーナイター」のそれとORIXのそれでは明らかに空回り方が違うのだ。