昨年末、35歳でがんになりました。種類は大腸がんです。

「オッス! がんになったよ!」とは言えなかった

 がんになると病院選びからはじまり、治療法や病室を窓際にするかどうかなど、決めなければいけないことが山ほどあり、毎日が決断の連続になります。

 そんななか告知されてからずっと決められずにいたのが、「いつ、どうやってみんなに“がん”を打ち明けるか」でした。

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 このとき自分は平凡な己の人生に突如降りかかった大病をドラマティックに感じ、少し“スタア気分”になっていました。

がんを告知されたときにもらった冊子。「がん治療の主人公はあなたです」という一文にドキドキしていた。ちなみにこの冊子、めちゃくちゃ勉強になる良書です。

 しかし35歳と絶賛子育て中世代ということもあり、友人たちもみな仕事や育児で日々ぜーぜー状態。そんな彼女らに、「オッス! がんになったよ!」とメールすることはなかなか、できませんでした。

 そうして散々悩んだ挙げ句、友人にがんを伝えることはほとんどなく、非常にそっけない「がん報告」をホームページでし、カミングアウトを終えました。ちゃんと報告できなかったみなさん、すいません。

悩みすぎて投げやりになったがんの報告。スマートなカミングアウトの仕方をいまだに模索中です。

 悩みすぎて投げやりになったがんの報告。スマートなカミングアウトの仕方をいまだに模索中です。

 こうしてラフにがんをカミングアウトした自分に周囲の方々はどんな反応をしたのか。印象深かった言葉をいくつか紹介したいと思います。