(3)なによりリーズナブルな価格
そんな本製品ですが、最大の特徴はリーズナブルな価格設定です。仮にここまで見てきたような優れた特徴があっても、お値段が11インチiPad Pro(64GBで89,800円)と変わらなければ、おそらく見向きもされないはずですが、本製品は同じ容量でなんと54,800円からという、リーズナブルなプライスを実現しています。
ほぼ同じボディデザインだった従来の10.5インチiPad Proが、同じ容量で69,800円だったのと比べると、1万5千円も安価です。スピーカーは4基から2基へと減っているものの、代わりにCPUは2世代ほど進化していることを考えると、そのおトクさがわかろうというものです。
では、なぜ優れた製品なのに目立たない?
これだけ優れた製品でありながら、なぜ本製品が目立たないかと言うと、ひとつひとつの特徴を見ていくと、それぞれ本製品よりも優れたモデルがあるからでしょう。厚みだけで言えばiPad Proのほうが(わずか0.2mmですが)薄いですし、価格だけで言えばエントリーモデルのiPadのほうが安価です。
また本製品に採用されているCPU「A12」は、ファイルサイズの大きい動画も快適に再生できますが、スペックだけ見れば、プロユースのiPad Proに使われている「A12X」のほうが上です。かろうじて本製品が勝っているのは重量ですが、これにしても画面サイズを考慮しなければ、同時発売のiPad mini(第5世代)のほうが、約150gも軽量です。
つまり、どのような切り口であっても2番手もしくは3番手につけているのが災いしているわけですが、裏返せばそれだけ欠点の少ない、優等生的なモデルであると言えます。最初は別のモデルが欲しかったんだけど、調べていくうちにこちらのほうが満足度が高い気がしてきた……そのような経緯を経て、最終的に選ばれがちなモデルと言えます。
この製品についてネットでいろいろ調べていて、いまご覧のこの記事がヒットしたという人がいれば、それぞれのモデルをひととおり購入して試した筆者に言わせると、よい目の付け所をしていると断言できます。
敢えて欠点を挙げるならば「見た目が従来のホームボタンつきiPadそのままで、人に見せびらかすには地味」ということくらいでしょうか。なんでもできる優れたモデルとして、安心して購入することをおすすめします。