2019年3月21日から22日にかけて、本来山であるべきところが湖になっているなど、ネット上で日本国内のGoogleマップの不具合があいついで報告されるようになった。そして、これまで詳細な地図データを提供することで知られるゼンリン(本社・北九州市)の地図をベースにしていたGoogleマップの地図のコピーライト表記からZENRINの表記がなくなっていることが明らかとなった。
3月29日現在、Google、ゼンリンともにこの件について具体的なコメントを明らかにしていないが、2005年7月以来、Googleマップに地図情報を提供してきたゼンリンの提携関係の変化が大きな影響を与えたことはまちがいない。なお、Mapboxという地図情報のベンチャー企業が3月20日にゼンリンとのパートナーシップ締結を発表している(https://blog.mapbox.com/japan-map-update-with-zenrin-data-400e3ee88925)。Mapboxは2017年に「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」から出資を受けている。
Googleマップの不具合は、航空写真で山の影となっている部分が湖になっていることなどから、機械学習で読み取った情報が正確に反映できなかったものと考えられる。
Googleマップが唯一の選択肢なのか?
2012年にiOS上の地図アプリに不具合が生じて、「パチンコガンダム駅」と実在しない駅が表示されたことが話題となった。Googleマップもこのケースと同様いずれ修正されていくだろうが、現時点でのベースマップの精度は、これまでとくらべて低下している。
オンラインマップは、日常生活はもちろん、国内旅行でもなくてはならないツールとなっている。AndroidのスマホであればGoogleマップがプリインストールされているし、iPhoneユーザーもGoogleマップをインストールして利用している人は少なくないだろう。
だが、本当にGoogleマップが唯一の選択肢なのだろうか?
現時点で日本国内のGoogleマップ以外にどのようなオンラインマップがあるのか、また、それらの実力はどうなのか、この機会に比較・検討してみることにした。なお、これらはあくまで地図情報の充実度と正確さについて、筆者がそれぞれの地図を閲覧したうえでの評価である。また、パソコン用のサイトとスマホ用のサイト、スマホにダウンロードして利用するアプリでは表示される情報がそれぞれ異なる。