昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

宮本亜門さんも 前立腺がんを疑ったら知っておきたい「最新治療」と「決断すべき3つのこと」

セックスは「厄介で不必要」という境地になれるか

2019/04/16

 演出家の宮本亜門さん(61)が「前立腺がん」であることを公表しました。各紙の報道によると、2月下旬に人間ドックを受診した際に前立腺に約1センチの腫瘍が見つかり、3月上旬に受けた精密検査で前立腺がんと判明したそうです。

「全摘出をお願いします!」

宮本亜門さん ©文藝春秋

 幸い、骨や他臓器への転移は見つからず、進行度は「ステージII」と診断されたそうです。4月8日に出演した医療バラエティ番組「名医のTHE太鼓判! 3時間SP」(TBS系)で、宮本さんは、「全摘出をお願いします!」と医師に伝えていました。

 ところで、宮本さんはどんな手術を受けることになるのでしょうか。前立腺は男性にしかない臓器で、膀胱の下あたりに、尿道を取り巻くように存在しています。そのため、前立腺がんの手術は、前立腺や精嚢、リンパ節など周囲の組織を切除した後、膀胱と尿道をつなぎ直す必要があります。

【決断1】手術をロボットに任せられるか

 その方法として、以前はお腹を開けて行う「開腹手術」が一般的でしたが、現在は「腹腔鏡下手術」や「ミニマム創内視鏡下手術」の他、「ロボット支援下手術(以下、ロボット手術)」の選択肢もあります。

 腹腔鏡下手術は、お腹に数センチの穴を数ヵ所開け、細長い内視鏡カメラと手術器具を挿入し、モニターに映った術野を見ながら行う方法です。もう一つのミニマム創内視鏡下手術は、腹部に3~4センチの穴を一つだけ開けて、細長い専用の内視鏡や手術器具を入れて行う手術です。

 これらに加えて、2012年に前立腺がんに保険適用となってから、ロボット手術を導入する病院が急速に増えました。お腹の中に細長い内視鏡や手術器具を挿入するのは腹腔鏡下手術と同じですが、器具は人の代わりにロボットアームが行います。術者は手術台から離れた操作ボックスに座り、顕微鏡のようなレンズに映る立体画像を覗きながら指や足を使ってロボットアームを遠隔操作します。

※写真はイメージです ©iStock.com

 このロボット手術は前立腺がんの手術に向いていると言われています。なぜなら、前立腺が骨盤の奥深いところにあるからです。腹腔鏡下手術は器具の動かせる角度に制限がありますが、ロボット手術なら器具を自由な角度に動かすことができます。また、手ぶれ防止機能がついているので、腹腔鏡下手術より繊細な動きができるとされています。

 もしかすると宮本さんも、ロボット手術を勧められるかもしれません。ただ、メリットばかりに目を奪われてはいけません。ロボット手術にも思わぬ落とし穴がありうるからです。