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学校教師、医師、トレーナーなどが加害者になる事例も
前出の白川医師は、「カトリックのみならず、プロテスタントの牧師、仏僧といった宗教者のほか、学校教師、医師、トレーナーなど子どもと接する立場にある多く人が加害者になった事例を見てきた」と話した。
全国の児童相談所に寄せられる性的虐待の件数は増加傾向にあり、昨年8月に厚生労働省が発表した2017年度のデータは1540件(速報値)に上る。ただ口を閉ざしたままの被害者を含めれば、実態はその何倍にも拡大している可能性があるのだ。
宗教は本来、こうした虐げられた者の「声なき声」を受け止める役割が期待されている。2人の握手はこんな“対話”で締めくくられた。
「世界で起きているさまざまな性虐待に、本来、教会は立ち向かっていかなければいけない。世論を高め、専門的な知識を結集して改善に取り組みたい」(高見大司教)
「宗教者が弱い者の側にたって率先して虐待に立ち向かってくれる、というならば私はぜひ協力したい」(竹中さん)
小児性的虐待という難しい課題に「先進的に取り組む調査」となるのか、「形ばかりの調査」に終わるのか、カトリック教会の今後の取り組みに静かに注目が集まっている。
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