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乳がん公表から1年 元SKE48矢方美紀が語る「妊娠できない人はかわいそう」への違和感

矢方美紀インタビュー #1

2019/04/25

副作用による外見の変化を、自分なりにアレンジ

──矢方さんが治療と自分の体に起こるさまざまな出来事をアップし続けている「#乳がんダイアリー」も、多くの人に励ましを届けていると思います。

矢方 私は副作用による外見の変化がすごくストレスだったんですけど、指先の色のくすみが気にならないネイルカラーとか、医療用ウィッグに関する情報とか、顔色の悪さをカバーするチークの使い方とか、そういう情報って本当に少ないんです。私もいろいろな方にお聞きしたり、自分でネットや本で調べたりして少しずつ情報を集めて、それを自分なりにアレンジすることで前向きな気持ちになれたので、こういう方法もあるよ、というのをもっと多くの人に知ってほしくて、治療経過をオープンに語ってきました。

 動画がたまってきたので、それを最初から見なくても経過が伝わるように、『きっと大丈夫。 ~私の乳がんダイアリー~』という書籍にもまとめました。動画と違って電源もWi-Fiもなくても読めるので、もっとたくさんの方に知っていただけたらいいなと思っています。

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──アイドル時代を振り返ったエピソードも、綴られているそうですね。

矢方 乳がんを公表して以降、たくさんの方が応援してくださるようになったのですが、私がアイドルだったことをご存じない方もたくさんいらっしゃるんですよね。「元SKE48メンバー矢方美紀」という肩書きが一人歩きしているような気がして、私がどんな仲間たちとどんな活動をしてきたか、一度きちんと伝えたいという思いから、今回の本に書きました。アイドルって、華やかな舞台に到達するまでに、学業や生活などと並行しながら、みんな全力で努力しているんです。10代なら10代、20代なら20代の結構悩める年齢で、本気でアイドルというものにぶつかっているので、そういう舞台裏も知ってもらえたら……と。

──もともと、アイドルになる前から夢だった声優やナレーションのお仕事でも、ますます活躍が期待されます。

矢方 東海エリアでオリジナルの「ナゴヤアニメ」をつくるプロジェクトがあるのですが、オーディションで選ばれた人たちのプロジェクト(「ナゴヤセイユウ」)がもう進行していて、5月には事務所のイベントが予定されています。今年はアフレコにも挑戦してみたいし、やりたいことはたくさんあります。名古屋にもアニメファンは多いので、もっと地元から声優をめざす人も増えてくれたら嬉しいです。私も負けないように頑張りたいですね。

 

やかた・みき/1992年生まれ。名古屋・栄に誕生したアイドルグループ・SKE48のメンバーとしてデビュー。「チームS」のリーダーを務めた後、2017年2月に卒業。現在はZIP-FM 『SCK』のアシスタントのほか、テレビ番組やイベントでレポーターやナレーターとして活躍するほか、自身の経験をもとにした講演や番組出演など、幅広く活動している。

写真=末永裕樹/文藝春秋

きっと大丈夫。~私の乳がんダイアリー~

矢方 美紀

双葉社

2019年4月24日 発売

乳がん公表から1年 元SKE48矢方美紀が語る「妊娠できない人はかわいそう」への違和感

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