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連載『めちゃイケ』、その青春の光と影

「さんまさんは人間国宝にならなきゃいけない」

 あとテレビへの恩返しというのには僕の夢もあって、昔、プロレスラーの桜庭和志(※4)が総合格闘技のリングで勝って「プロレスラーは本当は強いんです」って言ったじゃないですか。それが、テレビ界の作り手にもあてはまるといいなあと思っていて。もし、映画監督や舞台演出家が出てきて、テレビディレクターである自分に「なにか面白いものを作って勝負しようぜ」って言ってきたら、絶対負けねえぞって(笑)。映画監督や舞台演出家がテレビを作って、僕が映画や舞台を作る異種格闘技戦みたいな? そこで比べてもらって「テレビディレクターは本当は強いんです」っていうのを証明したい気持ちはあります。いろいろ競技にできますよね……ショートプログラムは「新元号の発表演出」とかでも争えそう(笑)。

 まあ、それはともかくテレビ界もみんな頑張ってるんですけど、テレビなんてまだ始まって60年とかで、芸能の歴史としてはすごく浅いんですよね。なのに最近突然「ちゃんとやれ」って言われて大変だ、みたいな(笑)。今は逆風に見えますけど、それは時代の過渡期に過ぎなくて、ここからの長い歴史の中で見れば、ほんの一瞬のところにテレビはいるだけなんじゃないかと。そのバトンを持っているのがたまたま僕らで、しっかり次に渡さないといけない。

「めちゃイケは血の味」だと語り始めた今回のインタビュー。真意を伝えることに全力を尽くす片岡の言葉には、常に新鮮な発見と驚きがあった

 ここからはやや妄想ですけど、(明石家)さんまさんなんて人間国宝にならなきゃいけない人だと思うんですよ(笑)。あの人の話芸がこんなに世知辛い日本でみんなに与えている笑顔だとかの総量を考えたら。だって古典芸能の歌舞伎役者や能楽師は60代で普通に人間国宝になるじゃないですか? もしテレビの歴史が同じように何百年と続いている“テレビ芸能”だったら、絶対にさんまさんは人間国宝になってますよ。ご本人はきっと望まないだろうけど、そうなったらテレビに携わった人たちも末代まで報われる(笑)

 だから今から200年後ぐらい? あと4回先ぐらいの東京オリンピックの演出は当たり前のようにテレビディレクターがやっていますように…って本気で祈ってます。その人の演出で、「5代目明石家さんま」とかが出てて(笑)。うん、そんな未来のテレビが世の中を幸せにしていればいいなと……絶対血の味が混じるぐらい大変な現場でしょうけど(笑)。

 まあ大体こんなところですかね……約束通り、なんでも話しましたけど、てれびのスキマさんはコレまとめるの相当大変じゃないですか? ……ま、いっか(笑)。