「マンモス」の由来は『あしたのジョー』から
豊川七段といえば、代名詞が2つある。ひとつは、先ほどのツイートの末尾にもあった「マンモス」ということばである。ニコニコ生放送でも、豊川七段が登場すると「マンモス」「マンモス」と大量のコメントが流れるほどファンには浸透しているが、いつから使われているものなのだろうか。
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豊川 マンモスは15年くらい前ですかね。『あしたのジョー』のマンモス西ってご存知ですか?
――主人公・矢吹ジョーの友人ですよね。大柄のボクサー。
豊川 そうそう。大きなもさっとした人ね。ある道場にマンモス西に似た藤田くんという人がいて、彼にふざけて「おう! マンモス」って挨拶するようになったんですよ。それがなんとなくいろんな人に使う挨拶みたいになりましてね。羽生さんにも「マンモス」って挨拶すると「マンモス」って返してくれるようになったという。だからのりピーとは違うんです。
――羽生さんが「マンモス」って挨拶してくれるんですか(笑)。
豊川 半分呆れていると思いますけどね(笑)。森内さん(俊之九段)も「マンモス」してくれますよ。
「ぜひ北海『同銀』って言ってください」って
この「マンモス」と並ぶ、豊川七段のもうひとつの代名詞が「オヤジギャグ」である。将棋の解説に絶妙に絡められるギャグに、聞き手の女流プロも笑いを堪えるのが大変ということも少なくない。今では、すっかり「豊川七段=オヤジギャグ」というイメージが広まり、こんな依頼をされることもあるという。
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豊川 北海道に解説の仕事で行ったら、現地の人から「ぜひ北海『同銀』って言ってください」って、お願いされたんですよ。
――ちょっと辛いですね(笑)。
豊川 辛いですよぉ(笑)。でも、そのときは森内さんと一緒だったんですが、森内さんが「あれ、こういうとき何て言うんでしたっけ」って振ってくるから、「これは北海……同銀ですね!」と……(笑)。そしたら会場は盛り上がったんですが、すぐ側で対局してるのでね、対局者にも悪いことしちゃったなとは思うんですが……。
――ご当地ギャグを提案されることはけっこうあるんですか?
豊川 日常でも「構想を練るときは『高層ビル』とかどうですか?」とか、突然言われることはありますよ。なに言ってんだって思いますがね(笑)。でもたまにいいのもあって「まいってるジャクソンとかどうですか?」とか言われたときは、ああそれはいいなって(笑)。まあ、いろいろご提案いただいてありがたい限りです。