本当にサバサバしている人物って、自分から「私ってサバサバしてるから」って言わないと思うんですよね。
もちろん、意味のうえで「サバサバしている」というのは、割り切っている、引きずらない、さっぱりしているといった性格のことを言いますので、程度問題として、どうでもいいことにはサバサバし、こだわりを捨てきれないところはウザい、面倒くさいのは人として誰でもあることですし、いい歳した男女が繰り出す「そのサバサバアピールは一体なんだ」って毎回思います。いまでは自称サバサバ系男女を総称して「自鯖(じさば)系」とも言うそうですが、それってすでに魚類じゃないですか。
目の前で「私、失敗しないので」と言われると……
ところが、私の立場柄どうしてもいろんな界隈の人物を見ると、この手の自称サバサバな男女が問題の中心にいることって結構多いように思うのですよ。大手企業での立身出世やバリキャリを目指す業務担当者であれ、ご担当の医局にいるお一人さま&お局さまであれ、介護職を束ねる管理職であれ、なんでこうみんな自分のことをサバサバしていると評価してもらいたいのでしょう。単に人間性としてクズで雑なのを自己弁護しているようにしか見えないのが残念です。
先日も、その自称サバサバ系女子の部下がなんかやらかして問題になっているときに「私はサバサバしているので大丈夫です」とかいう発言をされたときは、さすがに「おまえ馬鹿なんじゃないの?」と口に出してしまいました。
自称サバサバ系の男性も女性も、だいたい決まって好きなのは米倉涼子や柴咲コウのような頑張って何かを切り盛りして決断する女優なんですが、これらの役柄としての女優を自分に投影するのは遠くでやっていただく分にはまったく構わないんですよ。私の知らないところで思う存分サバサバしていていただきたい。
ただ、目の前で「私、失敗しないので(私の責任ではありません)」と言われると、同席する私もクライアントも怒るに決まってるじゃないですか。そういう大事なところでサバサバしてんじゃねえよ。ひっこめ。金返せ。そのように思うわけであります。