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「性格が悪い」という非情な審判が下される

 なんかこうクール信仰と言いますか、ある種の「相手を見下ろしたい」と「面倒くさいことはしたくない」の絶妙なブレンドは、大概において自称サバサバ系人物に対して「性格が悪い」という非情な審判が下されるのが通常ではないかと思います。

 もちろん、頑張っているのは分かりますよ。ただ、男性であれば「俺、クヨクヨしないから」とか、女性なら自分から「女性の中にいるよりオトコの中にいたほうが生きやすい」とか「変な配慮は不要だから」などと言うんですけど、こっちが気を遣うんですよね。彼氏さんが貢いでくれたブランド品のバッグを写メで見せられ、その割に彼氏の稼ぎが悪いし食べ方が汚いという悪口に付き合わされるほうが、結構辛い思いをするんです。愚痴や悪口を言ってる時点で、全然サバサバしていません。

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 おそらくは、頻出ワードである「女子とは気が合わない」「オトコと一緒に居るほうが楽」という話も、それだけガサツで他人に気を遣えなければ女性のグループから敬遠される存在にもなろうという予想はつきますし、もうちょっと協調性がないと厳しいんじゃないですかねという感想しか湧きません。「振り向いてくれるいい男がいない」とか「そこらの人では自分とは釣り合わない」とか言われても知らんがな。単にみんなから恋愛対象としてスルーされてるだけなんじゃないかと思います。

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どこか遠くで頑張っていてほしい

「俺は週に一度は美容室にいかないと自分が自分でなくなりそうな気がして」やら「私って、高校出てから一度もスカートはいたことないんですよね」やら言われてもお前のライフスタイルに興味ねえよ。

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 で、他部署の人も混ざって人事評価をスコア決めする組織でサバサバ系を自称する人々の評価を見ていたら、仕事には熱心だけど協調性ゼロで一緒に働きたくないと直訴する上司、同僚、部下、後輩が続出する始末でありました。

 もちろん、向上心が強かったり、企画提案に熱心だったり、新しい仕事のやり方で上役を巻き込んで大きく動かしたりというエネルギーがある人も中にはいます。そこは買うんですけど、そういう高い自意識の持ち主と一緒にチームを組まされる人たちは悲惨です。身の回りにいると、困るんですよね。頑張ってほしいけど、どこか遠くで頑張っていてほしい。