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待ちに待ったようで案外早かった福良イズ・バック

 そして時は流れ2019年。イチロー選手が現役引退を発表した年の5月の終わり、ORIX球団から実に楽しみなニュースがリリースされた。ORIX球団としては2005年以来のGMの設置、その際の湊通夫球団社長の言葉が実に印象的で「フロントの強化」だと言うではないか。超一流の経営者がフロント強化の為にと生粋の野球人をフロントの重要職に任命するのだから、湊球団社長の球団愛が伝わってくる。

 これほどファンにとって明るく未来のあるニュースは糸井嘉男獲得(2013年1月)のニュースの時以来ではないだろうか。そう、リリースされたのは福良淳一前監督のGM就任のニュースである。仏の福良・鬼の福良、我らの福良さんがチーム編成の中心に帰ってくるのだ。それもGMという最重要ポストとして。待ちに待ったようで案外早かった福良イズ・バックである。

監督時代の福良淳一氏とヘッドコーチ時代の西村徳文氏

 会見で福良GMはここからの巻き返しを口にした。確かにまだまだ5月、しかも首位までたったの5.5ゲーム差である。若手主体への切り替えタイミングだとか、チームの生まれ変わりの時期だとか、そんな諦めにも似た言葉をちょくちょく耳にするようになってはきたが、まだまだ今シーズンのペナントを諦めるには時期尚早である。補強も視野に入れた巻き返しをフロント、そしてチームが一丸となって推し進めようとしているのを証明して見せたこの発言、実は何よりファンに希望と勇気を与えてくれたのではないだろうか。それに「福良チルドレン」とも言えるであろう現在のORIX Buffaloesの主力選手達を見るに、福良GMの編成と育成の巧みさはファンなら誰もが知るところだろう。これは非常に期待ができる。ORIX球団「令和最初のGM」福良さんの就任は、実は現状一番期待値の高い補強策なのかもしれない。

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