萩生田光一 自民党幹事長代行
「安倍総理大臣と意思疎通したわけではなく、政治家としての私個人の見解だ」
NHK政治マガジン 4月19日
党の内外の反応を受けて、萩生田氏は19日に記者会見を開き、「政府の方針に異議を唱えたつもりもない」「10%への引き上げをお願いする基本姿勢に変わりはない」などと釈明した。また、「国民の信を問うことになる」と発言したことについては、「仮に国民と約束した消費増税を凍結や先送りするなら、過去の例にならって何らか国民の了解を得る必要性があるのではないかと言及した」と述べた。
22日、萩生田氏と同席して記者会見に臨んだ自民党の二階俊博幹事長は、「個人的見解で、相談や了解があったわけではない」と不快感を表明(時事ドットコムニュース 4月22日)。公明党の山口那津男代表は「到底論外」とした上で、萩生田氏の「国民に信を問う」という発言については「信を問う資格があるのは総理だけ」と切り捨てた(FNN PRIME 4月22日)。日刊スポーツの政治コラム「政界地獄耳」は萩生田氏の発言について「首相気取り」「少しはまともな観測気球を上げられないものか」とこき下ろしている(4月23日)。
「萩生田さんは安倍首相の『スポークスマン』に等しい」
しかし、繰り返しになるが、萩生田氏の発言が「個人の見解」だと考える人は少ない。政治評論家の本澤二郎氏は「萩生田さんは安倍首相の『スポークスマン』に等しい存在。『萩生田さんの発言=安倍首相のご意向』と考えるべきです」とコメントしている(日刊ゲンダイ 4月20日)。
二階氏は萩生田氏と反目していると言われているが、衆参ダブル選挙に関しては、「総理が『やる』と言えば、我々は総理の下にあるのですから、当然(衆参W選を)やりますよ。総理の判断に従うのは当たり前のことです」と断言している(『文藝春秋』5月号)。萩生田氏の発言の背景には、安倍首相ならびに首相官邸の意図が見え隠れしている。