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萩生田光一 自民党幹事長代行
「新しい時代になったら、自民党は少しワイルドな憲法審査を進めていかないといけない」

NHK政治マガジン 4月18日

萩生田光一自民党幹事長代行 ©文藝春秋

 こちらも同じ『真相深入り!虎ノ門ニュース』での発言。同番組は作家の百田尚樹氏、タレントのケント・ギルバート氏らがコメンテーターとして出演中。過去には安倍晋三首相や自民党の杉田水脈衆院議員も複数回出演したことがある。萩生田氏は5回目の出演だった。よっぽど居心地が良いらしい。

 衆議院の憲法審査会が、野党との調整がつかず、開催の見通しが立たないことについて萩生田氏は「この状況を国民は望んでいない」「やるしかないところまで来ている」と断言。「新しい時代になったら、自民党は少しワイルドな憲法審査を進めていかないといけない」と言い放った。与野党の合意なく、憲法審査会の開催を強行する考えを示したものだ。

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 萩生田氏は「ここまで丁寧に我慢してきた。令和になったらキャンペーンを張るしかない」とも発言している(TBS NEWS 4月18日)。新元号が憲法改正と何の関係があるのだろうか? 

野党は猛反発、謝罪へ

萩生田光一 自民党幹事長代行
「特定の野党を非難したわけではなく、わが党の話なので撤回はなじまない」

日本経済新聞 4月19日

 萩生田氏の発言に野党は猛反発し、18日も憲法審査会は開催されないまま。結局、萩生田氏は19日、「野党の皆さんに不快感を与え、結果として(18日に)協議が成立しなかった。憲法審査を前に進めていただきたいという私の本意とは違う」と謝罪した(時事ドットコムニュース 4月19日)。

 しかし、萩生田氏は同時に「撤回はなじまない」と発言を撤回しないことを強調している。一応謝罪はしたが、「ワイルドな憲法審査」はやるということなのだろう。

安倍晋三 首相
「令和元年という新しい時代のスタートに立ち、この国の未来像について真正面から議論を行うべきときに来ている」

産経新聞 4月23日

安倍晋三首相 ©文藝春秋

 23日、超党派の国会議員らでつくる新憲法制定議員同盟が大会を開き、外遊中の安倍首相がメッセージを寄せた。

「平成は自衛隊への国民の信頼が揺るぎないものとなった。違憲論争に終止符を打つことが政治家の責任だ」「教育は全ての子供たちに真に開かれたものとしなければならない」と強調した安倍首相は、あらためて憲法改正に関して自衛隊明記と教育の重要性を強調。さらに新元号と憲法改正を結びつけて、憲法改正に関する議論を呼びかけた。

 萩生田氏の「令和になったらキャンペーンを張るしかない」と安倍首相の発言はピタリと符号している。相変わらず新元号と憲法改正の関連は不明だが、「萩生田氏の発言=安倍首相のご意向」という考え方は間違いないだろう。消費税増税の延期と衆参ダブル選挙も憲法改正へのステップなのかもしれない。