きっちり半額 110円で「かけそば小」が食べられる
そして、「一由そば」「一〇そば」を語る上でもっともすごいといつも感心することがある。それは「小(小盛)」というメニューである。ふつうの量の「かけそば」も220円という安さなのだが、これを「小」で頼むときっちり半分のそばの量で110円となる。他店でも、「麺少な目」といったメニューを見ることがあるが、たいてい50円引きといったところが多いと思う。「一由そば」では、きっちり半額である。
常連さんが年齢を重ねていくと、どうしてもふつうの量を食べることができないから、「麺少な目で」といってふつうの量の値段を払っている方がたくさんいたそうである。また、女性でも「ちょっと多いから……」と敬遠する人や「子供では多すぎて……」という声を小森谷さんはよく耳にしていたそうだ。それなら、「小」をつくれば、無駄も無くなると考え、メニュー化したというのだ。さらに、そばに載せる天ぷらなどでも、「半分」というメニューも存在している。「そば小で、紅ショウガ天半分で、ちょいわかめ」といったメニューを頼む人も老若男女問わず多いのだ。なかなかできることではないといつも感心しているわけである。
さて、余談だが、5月5日の子どもの日には、「一由そば」で「小学生以下のお子様」に素敵なサービスがあるそうだ。他にも季節ごとに色々なサービスを企画実施してくれている。小森谷さん風にこの場を借りてお礼を言いたいと思う。「一由そばさん、いつもありがとう存じます」
写真=坂崎仁紀


