BIGBANGのV.I(以下、スンリ)の逮捕状請求が棄却された。

 クラブ「バーニングサン」暴行事件で初めて捜査チームが組まれてから100日あまり、性接待疑惑が報じられてからは2カ月あまり。

 スンリへの18回に及ぶ取り調べの末、性接待、クラブからの5億ウォン(およそ5000万円)横領、クラブ経営での食品衛生法違反、さらには自身の性売買の嫌疑が書き加えられ逮捕状が請求されたが、14日深夜、ソウル中央地裁は「証拠隠滅の怖れなどの拘束事由なし」として逮捕状請求を棄却した。

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すべての疑惑の中心にいるといわれるBIGBANGのV.I(スンリ) ©Getty Images

「取り調べにも粛々と応じていましたし、本人は一貫して性接待などに否認しています。また、証拠不十分とも伝えられていて、逮捕も可能性は低いのではないか、ともいわれていましたが、完全に警察の失態でしょう。竜頭蛇尾で終わるのではないかという声も囁かれています」(スポーツ紙記者)。

V.Iの会社の共同代表が性接待があったことを認めた

 事態が大きく動いたかのように見えたのは4月末。24日、スンリの会社で共同代表を務めていたユ代表がこれまで否認し続けてきた性接待の事実を初めて認めた。「ユ代表は一貫して性接待について否認していましたが、性売買を請け負う女性への送金の内訳を警察に見せられて“すみません”と(性接待の)事実を認めたそうです」(韓国紙記者)という。しかし、このユ代表の逮捕状請求も14日、棄却された。ユ代表は韓国の人気女優の夫で、2017年に結婚した当初は金融業界にいる人物と報じられていた。

 接待した相手はスンリと懇意の仲といわれる日本の実業家らとされ、一行が4年前の2015年12月24日から2泊3日の日程で訪韓した際に性接待があったといわれる。また、その宿泊費3000万ウォン(およそ300万円)をスンリが所属していたYGエンタテインメントの法人カードで支払ったことが確認され、性接待については否認しているスンリもその支払いについては認めたと伝えられた。前述の韓国紙記者が言う。

「警察はこの性接待を示唆するユ代表とスンリのカカオトーク(メッセンジャー)のやりとりを押さえ、スンリの取り調べを行いましたが、スンリは『そんな会話は思い出せない』と一貫して否定していたそうです」

かつての「Burning Sun(バーニングサン)」入口。「Burning Sun(バーニングサン)」の文字が 消されている(著者提供)

 韓国では「スンリゲート」や、経営していたクラブ名から「バーニングサンゲート」などとよばれるこの事件。今年1月、昨年11月末に起きた暴行事件に関連して、クラブ「バーニングサン」内での麻薬販売や警察との癒着疑惑が告発され、物議を醸していたところへ、2月末にスンリの性接待疑惑の報道が流れると、性暴行、横領、脱税などその他の疑惑が一気に吹き出して一大スキャンダルへと発展。韓国社会を呑み込んだ。