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 さらには、警察での麻薬検査で陽性反応がでた後でさえ、「どうして体内に(麻薬が)入ったのか分からない」という誰が聞いても荒唐無稽としかいいようのない弁明を訴えていたが、逮捕されると、あっさりと麻薬使用を認めたという。

「(麻薬)検査はいつか免れないと思っていたのでしょう。陽性反応が出ないようにとユチョンは今年に入ってから何度も髪を染めて、体毛をすべて除毛したといいます。ただ、除毛しきれなかった足の毛から麻薬が検出されて結局、逮捕となりました」(同前)

 ユチョンは、元婚約者のファン・ハナと今年2月~3月にかけて5回に渡り覚醒剤を使用した疑いが持たれている。実は、このファンは、スンリのクラブ「バーニングサン」の常連客だと伝えられた。さらに、ファンは、盗撮動画を共有、流布していたメンバーらとも近しい仲だったといわれている。

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逮捕前に会見を開いたJYJのパク・ユチョン ©Getty Images

癒着疑惑は、区長関係者や消防関係者にまで

「スンリゲート」では、4月にはカン記者がチョン・ジュニョンらの性暴行の事実を暴き、盗撮動画の流布、共有で立件されていたうちのひとり、元FTISLANDのチェ・ジョンフンはこの集団性暴行容疑で証拠隠滅の怖れがあるとして、5月9日逮捕された。また、クラブ「バーニングサン」で開かれた化粧品のイベントに関連して人気女優の麻薬使用の疑いも新たに浮上している。

 一方で、癒着が疑われたのは警察だけではなく、クラブがあった区庁関係者や消防にまで広がり、全員が立件はされたが、起訴には至っていない。

BIGBANGスンリの性接待疑惑をスクープしたカン・ギョンユン記者


 一連の事件が明るみに出た背景には、MeToo運動や、不正・腐敗あるまじきとする声が韓国社会で高まっている雰囲気があった。スンリの性接待疑惑の第一報を出したカン記者はインタビューで「私たちの社会は韓流という名前ですべてのことを許し、監視や批判を怠っていたのではないか、そう思い、そういう部分についても徹底して考えるべきだと思います」(SBS)と話していた。

 韓流がグローバルな展開を見せる一方、韓国芸能界で不正疑惑が浮上するたびにその前近代的な構造が指摘されてきた。

 今回の事件は韓国の芸能界やそれを取り巻く公的権力との関係に新たな一石を投じたことになったのか、それともまた単なるひとつのハプニングのようなものとして終わってしまうのか。

  10日にはチョン・ジュニョンの公判が始まっている。