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内定辞退続出で“トホホな”人事部 就活生がメールだけで辞退すべきでない3つの理由

2019/05/21

売り手市場で内定辞退が増えている

 私のアドバイスが有効な理由を説明する前に、今、内定辞退が話題になっている背景から説明したい。

 ここ数年、一部人気企業を除き、売り手市場が続いており、学生優位な状況が続いている。就活解禁ルールの変更もあり、「キャリタス就活」の調査では、5月1日時点での内定率は51.1%(前年42.2%)と昨年より約10ポイントも高い。

 また、リクルート就職みらい研究所「2018年9月1日時点 内定状況」就職プロセス調査(2019年卒)では、内定解禁日である6月1日時点での内定辞退率は、32.8%(17年卒)→36.5%(18年卒)→43.2%(19年卒)と年々、内定辞退を経験した学生が増えていることがわかる。

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こちらは10月1日時点での就職内定率および内定辞退率の推移。内定辞退率はここ4年、60%を超え、2019年卒では66.0%を記録している ©共同通信社

4月1日の入社式をバックレるケースも……

 今年の就活生も内定を得やすい状況にあり、内定辞退も増えてしまう。ある有名企業の人事は言う。

「事前に、内定辞退をする場合は電話をください、と伝えています。でもメールで断ってくる人もいます。そんな人に電話しても、出てくれないことがありますね。世間では、メールも電話も何も連絡がないまま、消えてしまう学生もいるようですから、メールをもらえるだけウチはマシかもしれません」

 実はもっとひどい対応をする就活生もいる。ある「不」人気企業の人事担当者から次のような話を聞いたことがある。

「一番緊張するのは4月1日の入社式です。このタイミングでドタキャンする人もいます。本人の携帯に電話しても繋がらないし、自宅に電話して親に話をしても、本人の問題ですから、と相手にしてもらえない。我々が役員から怒られるわけで、これだけは何としても避けたい」

 実にトホホな状態だが、このような就活生の対応は褒められたものではないだろう。

 では先に述べた「電話をして、必要があれば直接企業に行くべき」という私のアドバイスが有効である理由を3点、述べたい。