売り手市場で内定辞退が増えている
私のアドバイスが有効な理由を説明する前に、今、内定辞退が話題になっている背景から説明したい。
ここ数年、一部人気企業を除き、売り手市場が続いており、学生優位な状況が続いている。就活解禁ルールの変更もあり、「キャリタス就活」の調査では、5月1日時点での内定率は51.1%(前年42.2%)と昨年より約10ポイントも高い。
また、リクルート就職みらい研究所「2018年9月1日時点 内定状況」就職プロセス調査(2019年卒)では、内定解禁日である6月1日時点での内定辞退率は、32.8%(17年卒)→36.5%(18年卒)→43.2%(19年卒)と年々、内定辞退を経験した学生が増えていることがわかる。
4月1日の入社式をバックレるケースも……
今年の就活生も内定を得やすい状況にあり、内定辞退も増えてしまう。ある有名企業の人事は言う。
「事前に、内定辞退をする場合は電話をください、と伝えています。でもメールで断ってくる人もいます。そんな人に電話しても、出てくれないことがありますね。世間では、メールも電話も何も連絡がないまま、消えてしまう学生もいるようですから、メールをもらえるだけウチはマシかもしれません」
実はもっとひどい対応をする就活生もいる。ある「不」人気企業の人事担当者から次のような話を聞いたことがある。
「一番緊張するのは4月1日の入社式です。このタイミングでドタキャンする人もいます。本人の携帯に電話しても繋がらないし、自宅に電話して親に話をしても、本人の問題ですから、と相手にしてもらえない。我々が役員から怒られるわけで、これだけは何としても避けたい」
実にトホホな状態だが、このような就活生の対応は褒められたものではないだろう。
では先に述べた「電話をして、必要があれば直接企業に行くべき」という私のアドバイスが有効である理由を3点、述べたい。