2019年元旦は『ボヘミアン・ラプソディ』だったが……
2018年12月31日『こんな夜更けにバナナかよ』
2019年1月1日『ボヘミアン・ラプソディ』
だったのである。
首相はそうとう『こんな夜更けにバナナかよ』をお気に召したのか、もしくは選挙前だからか、出演俳優を食事に招いて華やかな話題を今回提供したのである。「首相動静」だけ読んでもニュースは繋がっていることがわかる。
石破派外しの会食で「うなずきもできなくて、シュンとしちゃった」
さて、上記は楽しい食事会だが毎日新聞は「もう一つの食事会」について先週振り返っていた。
「自民党・石破茂さんインタビュー 『冷や飯』の味を語る」(毎日新聞WEB 5月24日)
まず、「イヤな話を聞いた。」という記者の書き出しがあった。
《それは2月6日夜、安倍首相の公邸で、石破派を除く党内6派閥の事務総長が集まり、首相を交えて食事会を開いた時のこと。石破派外しの場で、首相から厳しい「石破批判」が飛び出したらしい。》
あー、そんな食事会のニュースもあったなぁ。
次の「出席者に近い関係者」のくだりから一気に読ませた。
《出席者に近い関係者が声を潜める。「『あいつは除名だ』というニュアンスのことまで言ったらしい。あまりの激しさに、居合わせたみんなが、もう笑うこともできないし、うなずきもできなくて、シュンとしちゃった、と」》
この話に《何だか露骨。総裁選で争った相手だし、首相の政治手法も批判してきた石破氏である。首相もいい気持ちはしないのは分かる。それでも「敵」をも包み込むのがリーダーだろう。器が小さい、いや、大人げない。》と思わず率直な感想を書いた記者。
石破氏はそのあと「冷や飯」具合について語っているのだが、「食事会」と「冷や飯」の組み合わせがうまい記事だった。
それにしても『こんな夜更けにバナナかよ』食事会の3か月前に「こんな石破は除名だよ」食事会がおこなわれていたとは!
これも新聞読み比べの妙味です。ごちそうさまでした。
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