「今はどんなものもおいしくいただける。それが一番幸せ」
日本のポピュラー音楽界のレジェンドも御年71歳。実は、がんが発覚する半年前に鼠径ヘルニアの手術を受けるなど、ここ数年、不調が続いていたという。
「がんの手術をしたことで、むしろすっきりしました。退院後しばらくは“聖人”になったような気がしましたが、早くも俗人に戻った(笑)。しかも俗人である喜びが前よりも大きいんです。今はどんなものもおいしくいただける。正直、それが一番幸せかな」
現在、闘病でキャンセルした公演の“振替”と快気祝いを兼ねたチューリップのツアー中。ファイナルは7月7日、出身地・福岡で行われる。この日はアマチュア時代から苦楽を共にしたギタリスト、安部俊幸さんの命日に当たる。
「安部君が亡くなって5年。彼に想いが届けばいいなと。メンバーが元気なら50周年ツアーも可能ですが、これが最後かもしれませんからね」
ざいつかずお/1948年、福岡市生まれ。学生時代にチューリップを結成し、1972年、「魔法の黄色い靴」でデビュー。「心の旅」「青春の影」「サボテンの花」「虹とスニーカーの頃」などヒット曲多数。ソロ活動のほか、作曲家として松田聖子らに楽曲を提供。大阪芸術大学で教壇にも立つ。
INFORMATION
「TULIP concert tour 『is There』」
7月7日まで札幌、岩手、青森、鹿児島、大阪、長崎、福岡で公演
http://www.zaitsukazuo.com/tulip/index.html