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新紙幣にまつわる7つの疑問、財務省に聞いてみた

なぜこのタイミングだったの?

note

Q5. なぜ渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の3人が選ばれたのですか?
A5. 業績が広く認められており、かつ精巧な写真があるからです

――1万円札は渋沢栄一、5000円札は津田梅子、1000円札は北里柴三郎、なぜこの3人だったのですか?

「肖像を選ぶにあたり条件がありまして、ひとつは偽造防止という観点から、精巧な写真が入手できること。もうひとつは国民に広く知られており、かつ業績が広く認められていること。それから前回も前々回の改刷も、明治以降の文化人から選ばれておりまして、今回もその考え方を踏襲しつつ、最終的には財務大臣に選んでいただいたということです」

左から渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎

――どのくらいの候補から選ぶんですか?

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「偽造防止という観点から、そこは申し上げにくいのですが……ひとつ参考となるのは日本史の教科書です。日本史の教科書を見て、どれくらいの認知度があるのか、業績がどれくらい認められているのかといったことを検討しています」

――人選にメッセージを込めるということはあるんですか? 例えば経済に力を入れていこうとか、女性に活躍してほしいとか。

「渋沢栄一さんは日本資本主義の父、津田梅子さんは女性活躍の先駆者、北里柴三郎さんは日本細菌学の父ともいわれる業績がありまして、そこにメッセージを感じる感じないは、みなさんそれぞれかもしれませんが、いずれも現代にも通じる課題に取り組んだ方々です」