〈努力が報われるとはかぎらない。それでも、努力しつづける〉〈親にカンペキを求めすぎない〉〈どうしてもツラいときは、逃げる〉など、思っていても親の口からはなかなか子供に伝えづらい、生きるための知恵を50個の〈ルール〉としてまとめた児童書が好評だ。
「刊行から4カ月少しでの7万部超えは、児童書では異例の速度です。企画の発端は、これからの日本で厳しい時代を過ごしていく子供たちに、何か生きるための武器になるような、学校で教わる道徳よりも少し突っ込んだ内容の教訓を伝えたいというものでした。ところが蓋を開けてみると、子供だけではなく、大人の読者にも刺さったようなんです」(企画担当の高野総太さん)
「編集する上で気を付けたのは、物事の上辺をなぞるような言葉を使わず、説教くさくない本にすることでした。子供たちに綺麗事ではない、本当に大事なことが書いてあると感じてほしかったんです」(編集担当の小菅由美子さん)
たとえ子供であっても、学校などでの日々の暮らしで、世の中のままならなさに直面している。そうした厳しい現実から目を背けない内容が、大人の読者も惹きつけた理由か。
7月には、今度は古典のことばをベースにしたシリーズ第2弾『ヤワな大人にならない! 生きかたルールブック』が刊行予定。
2019年1月発売。初版2万部。現在3刷7万5000部