勃つヒト・勃たないヒトの違いはなに?
酒もタバコも嗜まず、病気一つしたことがない。唯一、病院にかかったのは水虫だけだ。健康を自負する蛭子さんがEDになったのに対して、山本文郎さんは42歳の時に、産業医から「あなたは短命です」と宣告されたという。糖尿病になり、また大腸ポリープまで発見されたからだ。
「朝と夜の番組をもっていると、食事の時間はめちゃくちゃ。若い頃は規則正しい生活をしたことはなかった」と言う。
さらに1997年、最初の妻を病気で亡くすと、生活は自堕落になった。
当時暮らしていた大泉学園駅周辺の居酒屋では、「文さんが来たから、今日の閉店は遅いな」と言われた。山本さんが飲んでいると、どこからともなく独り身の初老の男たちが集まってきては朝4時まで飲み続ける。酔った山本さんが、その頃から想いを寄せ始めていた今の奥さんに、「今、何やってんだ」と電話をかけ、携帯電話を握ったまま寝息を立てる。健康とはほど遠い生活が、再婚を決めるまで続いた。
セックスと関わりの深い「腎」という概念
この2人の違いは何なのだろうか。
もともと人間には何歳までセックスが可能なのかという、生殖能力の限界年齢が定められている──。
そんな理論を教えてくれたのは、日本東洋医学会の専門医・櫻井正智氏だった。櫻井氏は、かつては外科医だったが、「自分がよりよい治療を受けるとしたら、どうしたらよいか」と研究を続け、漢方医学に転身した。
櫻井氏が生殖能力について示したのは、「腎」という概念である。
西洋医学が、肝臓、心臓など体のパーツで分類するのに対して東洋医学では体の5つの「機能」が相互に関連しあいながら本来の機能を発揮すると考えられている。その5つが「肝・心・脾・肺・腎」である。これは臓器ではなく、機能だ。
セックスと関わりの深い「腎」の機能について、櫻井氏はこう説明する。
「腎は体の中の水の調節を行います。また、成長と生殖を担当。耳、骨、歯の機能を維持し、驚きの感情をコントロールします。腎に異常をきたすと、老化現象全般、頻尿、集中力の低下をともないます」