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生殖能力の周期は「男は8の倍数、女は7の倍数」?

 養命酒のコマーシャルに、「男は8の倍数、女は7の倍数」という言葉がある。これは2000年以上前に書かれた医学書『黄帝内経』にある、人間が先天的にもつ「腎気の周期」のことである。

 では、生殖能力の周期はどう変遷するのか、8の倍数の男から見てみよう。

8歳……腎気が活発になり、髪がふさふさと伸び、永久歯が生える。
16歳……腎気が成熟し、生殖能力が備わる。
24歳……腎気が体のすみずみまで巡る。
32歳……筋骨が逞しくなり、肌肉が豊かになる。
40歳……腎気が衰え始め、髪の毛が抜け、歯が揺れる。
48歳……陽気が衰え、顔面に皺が寄り、髪の毛が白くなる。
56歳……肝気が減り、筋肉が衰え、生殖能力が弱まり、体が老化してしまう。
64歳……歯も髪の毛も抜け去る。

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 腎気の周期をみれば、男は24歳が生殖活動の適齢期であることがわかる。自分が24歳だった頃を思い出してみると、違いがわかるかもしれない。

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 一方、女性の周期は、

7歳……腎気が活発になり永久歯が生え始め、髪が伸びる。
14歳……腎気が成熟したため月経が始まり、子供を孕む能力が備わる。
21歳……腎気が体のすみずみまで行き渡る。
28歳……髪の毛が豊かで、体がもっとも強壮な時期である。
35歳……顔がやつれ始める。
42歳……顔に皺がより、白髪が目立ち始める。
49歳……血脈に血が少なくなり、月経が止まり、子供を生むことができなくなる。

 つまり、人間が先天的にもった生殖能力の限界は、男が64歳、女は49歳なのである。そして東洋医学は、人間の寿命を120歳と定めている。と聞くと、「やっぱり2000年前の医学は、信憑性が薄いな」と思えるが、櫻井氏は「西洋医学も120歳まで生きられると見ています」と言う。「遺伝子プログラム説」のことだ。

老化遺伝子「テロメア」も証明した最長寿命120歳

 生命科学の理論によると、遺伝子DNAは、腎気の周期のように人間の一生を、受精から誕生、成熟、老化、死までを予めプログラムしている。

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 人間の細胞は分裂とコピーが繰り返されるが、テロメアという老化遺伝子だけは、細胞分裂の度に短縮し、一定の短さになると分裂を停止し、それ以上の分裂ができなくなる。これは、「細胞分裂の回数券」と呼ばれ、テロメアは50回の細胞分裂で回数券を使い終わる。それが約120歳だ。

 実際、世界最高寿命の記録をもつのは、フランス人のジャンヌ・カルマンという女性で122歳まで生きた。彼女は死に至るまで、心身共に健康だったという。