天安門30周年――「終わりの始まり」になるはずだった
中国は2010年前後から香港への支配をより強めるようになった
もはや、返還後50年間は体制を変えないことを定めた香港基本法
正直なところ、私は今回の香港側の抵抗は「大坂夏の陣」に近いと
逃亡犯条例の改正が、ノンポリや親中派の人間ですら生命・身体の安全を危うくしかねない(=香港市民が中国大陸並みの人権状況に置かれる)という認識を持たれたうえ、12日におこなわれた抗議行動に対して、今後の香港の人権状況を想像させるに足る「中国的」な荒っぽい弾圧がなされたことで、未曾有の数の市民が反対に立ち上がったのだろう。詳しい考察は後に譲るとしても、香港史上で最大規模(中国全土で見ても天安門事件前のデモに次ぐ規模)のデモが、天安門30周年の年に発生したことは、実に興味深い現象と言うしかない。
香港政府はまだ条例改正審議の完全撤回を認めておらず、これまでの衝突で出た逮捕者の処遇も不透明だ。香港での抗議運動は継続される模様である。今後の展開にも目が離せない。